電車待ちに読むブログ

カレーのおいしい季節です

くら寿司が大阪・関西万博で世界の料理を商品化したので、関東で食べられる32店舗を全部巡ってきた。

ついに大阪・関西万博の開幕まで40日を切りました。

どんなパビリオンやイベントがあるのか楽しみですが、個人的に気になっているのが「くら寿司が万博に出店」のニュース。


たしかに回転ずしは日本を代表する食文化だよね~と思っていたら、なんと万博に参加予定の国と地域を代表する料理を再現して販売するとのこと。マジか。

しかも、

「特別商品は全国のくら寿司で2025年2月7日より販売を行います。
68種類あるメニューのうち、1店舗につき1商品をご提供いたします。」

というではないか。

これは行くしかないということで、万博開幕を前に関東で食べられる32商品をすべて食べてきました。

【目次】

 

初日

1店舗目……マラコフ(スイス連邦)/銀座店

まずやってきたのは銀座。19時前なので人通りも多い。

高級店が立ち並ぶイメージの街だが、くら寿司はどこにあるのか。

くら寿司が入っているビルに到着。ほかのテナントは、OKストア、ユニクロ、GU、ダイソー、というお得感あふれるメンツが揃っている。

家の近所にあるみたいなラインナップすぎて、もしジオゲッサーでこの画像が出ても銀座とは答えられない気がする。

この日は万博メニューの販売開始当日だが、金曜日ということもあり、店の前は大混雑だった。

提灯があったり、壁に「横綱」「大関」と大きくかかれていたり、知っている店舗とは雰囲気が異なるが、銀座店は東京に4店舗+大阪に2店舗ある「グローバル旗艦店」らしい。横綱が熟成まぐろなのは、まったくもって同意できる。

受付には103分待ちと表示されていて覚悟をしたが、それもつかの間、30秒後に呼ばれて拍子抜けした。ちょうどカウンターが空いたらしい。

万博メニューを食べる前にまずは、旗艦店限定の「レッドドラゴンロール」を食べる。海苔のかわりにマグロが巻いてあるアメリカン寿司だ。

ちなみにこの記事は32店舗すべて巡ると最短で32品食べるとミッションが完了する計算だが、さすがに1皿だけ食べて帰るのは申し訳ないので、2~3皿は必ず食べてさっと退店することを心掛けたい。

さて、この店舗で食べられるマラコフはスイスの料理である。

カマンベールチーズを揚げたものに彩りにパプリカが載っている。チーズの味が濃くておいしい。

ただし、レッドドラゴンロールとマラコフを連続で食べたせいで、寿司食った感は皆無だ。お客さんもインバウンドの旅行客と思われる人がめちゃくちゃに多く、最初に行く店舗にしては多少イレギュラーなのは否めない。観光地として外国から来た友達を誘っていくのにはちょうどいいのかも。

サイネージでミャクミャクと出会う。「くるぞ、万博。」のキャッチコピーが突き刺さる。おれにとっては今まさに始まったところだ。

くるぞ、万博。くるぞ、週に32回くら寿司に行く生活。

2店舗目……コーヒーゼリーケニア共和国)/アトレ大森店

勢いそのまま有楽町駅から電車で15分ほどで大森駅へ到着。あの大森貝塚で有名な大森である。

駅には堂々と「日本考古学発祥の地」の銅像があった。土器の銅像、土が金属になってパワーアップしてるのが、なんかいい。

次に目指すアトレ大森店は大森駅の駅ビルに入っている。
受付では約50分待ちとの表示があり、しばし待機モード。さっきの銀座店でスイス料理が出たのは何か関連があるのかを調べてみる。

 

今回用意された68種類のメニューは、1店舗につき1商品が食べられるが、1商品につき提供されている店舗は複数ある。例えばマラコフなら他にも五所川原店(青森県)や奥州水沢店(岩手県)など計8店舗で食べられるのだが、この振り分けはランダムではなくて何か意図があったりするのだろうか探ってみよう、という魂胆である。

 

ざっと調べたところ、カレーの名店「銀座スイス」がカツカレー発祥の店ということがわかった。うーん関連性はあるのかもしれない。


そうこうしているうちに30分くらいで案内された。
予約できるシステムもあるが、待ち時間が1時間を超えるようなら予約を活用することも考えよう。

さて、まずはかつおのたたきを食べる。関係ない料理ですが。

映画には話の主題に関係ない登場人物は出してはいけないというルールがあるらしいが、この記事には関係ない料理も出ます。人生なので。

ただ、全部載せるのはうっとおしいので万博メニュー以外に食べたものは以降、特筆することがなければ省略することにしたい。

万博メニューは2店舗目にしてデザート。コーヒーゼリーである。

思ったよりもコーヒーの味が強めで、クリームも甘めだった。

日本向けの味付けにするともっと優しいものになりそうだが、ギリギリまで再現を狙った本格派だったりするのだろうか。ケニアコーヒーゼリーを食べたことがないのが悔やまれる。

 

ちなみにケニアにあるナイロビ国際空港は貨物取り扱い量がアフリカで一番らしい。アトレ大森のある大田区には羽田空港があるので、関連性がある……というのは厳しいか。

カウンターの隣では、注文した商品がなぜか倍来てしまうとかでずっと揉めていた。

1皿頼んだら2皿、2皿頼んだら4皿来てしまうらしい。ビスケットが増える童謡の世界観だ。

3店舗目……ポンデケージョブラジル連邦共和国)/品川駅前店

大森駅から電車で2駅、品川駅に到着。

実は間の大井町駅にもくら寿司はあるのだが、戦略的にスキップした。

クリームの甘さの余韻がずっと残っていて、距離が近い店舗が続くと後々しんどいように思われる。

品川駅前店の周りは都会のエアスポットのごとく人がいなかった。昼はオフィスで働く人で賑わっているのだろうか。客も同じビルの上の階で働いているだろう人ばかりであった。

うどんを食べる。

あったかいのがうれしい。こういうのが一番いいんですよ。

品川駅前店の万博メニューはブラジルのパン、ポンデケージョである。

品川区には在東京ブラジル連邦共和国総領事館があるらしいので、ゆかりがあるといえなくもない。

ただ、うどんを食べてしまったせいで期せずして粉物でかぶってしまった。

もっちりした食感のチーズパンで、なんか食べたことあると思っていたが、これはポンデリングだ。調べてみると、たしかにポンデケージョミスタードーナツポンデリングのモデルになった料理で、もちもち感はタピオカのでんぷんを使っているらしい。勉強になります。

とはいえ、うどんにパン2個は明らかに食べ過ぎだ。ちょっと戦略を考えたほうがいい。

さて、次に向かったのは原宿。

エスカレーターには「4Fクレープ販売中」の文字が見える。

原宿だからクレープ、安易な気もするがクレープ食べる人多いんだろうな。

店に入ったのは21時43分。まだまだ営業時間はあったが、受付機には「本日の受付終了」との文字が。

がっかりな反面、おなかがいっぱいになってきたのでほっとしている自分もいる。

これは後日、出直すことにしよう。

4店舗目……カルネアサード(ホンジュラス共和国)/中目黒駅前店

原宿を後にし、向かったのは中目黒。駅前にあるのでまだまだはしごすることは可能なのだ。

のぼりには「深夜24時まで営業」の文字が。あまり気にしたことがなかったが、この時間までやってる店舗もあるとは。くら寿司、恐るべし。

店に入ると待たずにすぐ案内される。

「好評につき一部商品が完売」とあったのでドキドキしながらタッチパネルで探すと、まだあった……!売り切れや食べられる量、移動距離なども加味して進めていくのが、なんだかRPGっぽい。

さて、中目黒駅前店で食べられるのはホンジュラスのカルネアサードである。
ローストビーフの上にトマトたまねぎアボカドが載っている。マリネっぽくてさっぱりしていい。

満腹で終電も近いので今日はこれで終了。まだまだ道のりは長い。

 

ここまで巡った店舗数……4/32店舗

 

2日目

5店舗目……エンサラダデフェリア(パナマ共和国)/十条店

翌日。十条駅にやってきました。「JUJO」って書くとなんだか可愛いですね。

くら寿司は11時開店の店舗が多いのだが、それに合わせて11時ちょうどに開店と同時に即入店。下にある山形ラーメンの「中華そば金ちゃん」にも心惹かれるが、ぐっとこらえ先に進む。

エンサラダデフェリアはビーツの入ったポテトサラダである。見慣れない赤さだが、これはビーツの色らしい。甘めの味付けで、コーンとグリンピースが入っていて子どもが好きなタイプのサラダかもしれない。

十条駅前はちょうど再開発のさなからしく、交番の赤ちゃんがいた。


6店舗目……アルファフォーレスウルグアイ東方共和国)/赤羽駅東口店

続いては隣駅の赤羽へ。

これまでは整理券を発券し、その番号で呼ばれたら案内票を発券し座る席を確認するという2段構えだったが、初めて整理券を取らずに入店できた。

ウルグアイの料理・アルファフォーレスはジャムを挟んでココナッツをかけた、しっとりしたクッキーだ。
お茶うけにこれが出てきたらテンション上がる感じの味。金属の丸い缶に入っているようなイメージをしてもらったら伝わるだろうか。

この日も寒かったのでアラ汁を飲んで温まる。アルファフォーレスとの食べ合わせは最悪だが、うまい。
店内にはエルガーの威風堂々がエンドレスループで流れてる。滑り出しはかなり順調だ。あとは食事のバランスを意識して次は野菜を食べようか。

 

7店舗目……コーヒータルト(エチオピア連邦民主共和国)/川口青木店

川口青木店は幹線道路のそばにあるタイプの店舗だ。ここも待ち無しで入れたが、駐車場は割と車はいっぱいだったので、土日は比較的ひとり客がいないのかもしれない。

エチオピアからはコーヒータルトがエントリー。クリーム部分は2層になっていて、上のコーヒークリームは強めだったが、下にはカスタードっぽいクリームがあるので、ちょうどいい感じになっていた。

余談だが、くら寿司にはレギュラーメニューでプリンタルトというものがあって、このクリームがないバージョンにとてもそっくりなのだが、まぁ細かいことはいいだろう。

メニューのタッチパネルには限定メニューが載っている「大阪・関西万博商品」のページ以外にも「物販」のページがあって万博コラボグッズが販売されている。せっかくなので注文してみると、しばらくしてレーンからラバキーが流れてきた。

器から取り出すとなぜか2個ある。

これはもしや、と思い店の人に確認したら、間違って倍来ていただけだった。

昨日は傍観していただけだったが、まさか自分の身にも降りかかるとは。

川口には交番の成体もあった。十条の交番もゆくゆくはこんな感じになるのだろうか。

8店舗目……タリアータ(イタリア共和国)/川口小谷場店

南浦和駅から川口小谷場店までは徒歩で20分。

とにかく風が強かった。どれだけ強いかというと、横を歩くおじさんのかけていた眼鏡が地面に落ちて、引きずられながらこっちに飛んできた。そんなことあるのか。

川口小谷場店には13時頃到着。

昼時にも関わらず、またしてもカウンターは待ち無し。土日の方が混むと思っていたが、そうでもないのだろうか。

川口小谷場店で食べられるのはイタリアのタリアータ。

ローストビーフバルサミコソースと粉チーズが掛かっている。味は見たまんまではあるが、もっと食べたいし、できればワインを飲みたい。気を抜いたら優雅に時間を浪費してしまいそうである。まだまだ序盤なのでどんどん行こう。

9店舗目……チキンアドボ(フィリピン共和国)/東川口店

ここまでだいぶ順調に進んでいるので、スケジュールを組み替えても良さそうだ。

チキンアドボは葛飾金町店でとるつもりだったが、次に行く予定だった越谷レイクタウンはどうせ昼時で混んでるだろうし、先に東川口で取ろう作戦でいこうと思う。

同じ料理を提供する店舗が複数あるおかげで可能性のあるルートをいくつか想定しておいて、当日に組み替えることができるのがこのチャレンジのいいところである。32店舗巡る予定がある人は覚えておいてほしい。

カウンターは24分待ちで久しぶりに整理券をもらったが、5秒で呼ばれた。

目安が目安すぎるな。待つ側としては大変ありがたい。

フィリピンのチキンアドボ。上に載っている葉っぱはローリエだろうか。味はとにかく肉が柔らかくて、そして味が濃い。酢と醤油で煮込んでいるそうだが、これは米が欲しくなる。

願わくば丼にして食べたいメニューである。

パインがあったので頼む。フィリピンといえばバナナかパインと相場が決まっているからこれは食べられて嬉しかった。冷凍のフルーツは店によってあったりなかったりするが、チキンアドボの濃い味のあとにはちょうどいい。

10店舗目……マラビ(イスラエル国)/越谷レイクタウン

レイクタウンに来ました。

薄々そうだろうと予想はしていたが、実際はそれ以上にめちゃくちゃに人がいる。

バスケのパブリックビューイングについ目を取られる。Googleマップの導く経路を歩いていたら、気づいたらセーターを買っていた。さすが日本一大きいショッピングモールだ。誘惑が多すぎる。

越谷レイクタウン店はレイクタウンの外にあった。わざわざレイクタウンの中を通過してこなくとも行けたのか。と、思っていたらレイクタウンは街の名前らしい。ショッピングモールは「イオンレイクタウン」だ。そりゃそうか、タウンなんだから。

レイクタウンで食べられるのはイスラエルのマラビ。硬めのミルクプリンにココナッツがかかったデザートだが、全体的に不思議な味だ。ココナッツの圧の強さも感じるが、よくわからないのが赤いトッピングで、おそらくバラの砂糖漬けなのだろうか。

ここまで食べたことも聞いたこともない料理が続いてきたが、その中でもマラビは群を抜いて面白いと感じた。本場のものはローズウォーターでソースを作るようなので、ぜひそちらも食べてみたい。

11店舗目……マケロ(カメルーン共和国)/草加

次の草加店の最寄りの新田駅に着いたのだが、まずはこれを見てほしい。

なぜか新田駅の目の前は昭和スタイルの駐輪場がずらりと立ち並んでいて、それはそれは壮観だった。それにしても平屋でこの量は多すぎないか。

逆サイドの東口にはロータリーもあるが、西口には大量の駐輪場しかない。謎である。

草加店は駅から歩いて14分。埼玉ゾーンに入って歩きが増えたのが地味に効いてくる。

店には待たずに入れたが、カウンターの横に皿を積み上げているおじさんがいて若干緊張が走る。くら寿司は5枚皿を投入することで1回抽選(ビッくらポン!)を回せるが、最後にまとめて回そうという魂胆のようだ。

草加店のメニューはカメルーンのマケロ。焼き鯖にきゅうりとたまねぎが載っていて、つまみにちょうどいい。糸唐辛子が辛めなのがアクセントになっていて、酒を飲みたくなる。

さて横のおじさんだが、デザートも食べ終わりついに皿投入タイムに入っていた。おそらく全部で25皿、つまり5回ルーレットが回せる計算になるのだが、無念にも全部外れていた。悲しい。

ここで帰るのかと思われたおじさんだが、ふたたび寿司を食べ始めた。嘘だろ。

気になっていたあんこうの天ぷらも頼む。

個人的にはこうした寿司チェーンへ寿司を食べに行くよりも天ぷらを食べに行くことが多いのだが、注文して揚げたての天ぷらが食べられるって素晴らしいことだと思う。

 

ということで店を出ようとしたとき、プラスアルファの旅へと立っていたおじさんはというとちょうど30皿目を食べてた。おじさんの未来に幸あれ。

12店舗目……パパロティ(アラブ首長国連邦)/足立栗原店

次に向かったのは足立栗原店。近くにある草加谷塚店は戦略上パスしたい。こうした判断がのちのち重要になってくるはずだ。

ところで何店舗かめぐっているとくら寿司の建物と看板にはバリエーションがあることがわかる。「くら」と大きく2文字書かれているのが、佐藤可士和氏が手掛けて2020年に導入された新ロゴらしい。いつのまにか「寿司」が追いやられていたとは。

どんどんくら寿司への解像度が上がっていく。

アラブ首長国連邦のパパロティはまるででっかいメロンパンだ。上にはコーヒーソースがかかっている。アフリカ大陸といえばやはりコーヒーなのか、くら寿司の担当者がコーヒーを便利使いしているのか、あるいはその両方なのかは分からない。

ただ一つ言えるのは寿司屋でメロンパンを食べられるのは、これを逃したらもう一生ないだろうということ。それだけである。

13店舗目……ケケ(トンガ王国)/松戸二十世紀が丘

足立区から千葉県の市川市にある北国分駅まで移動したところ、あたりはすっかり真っ暗に。次に向かう「松戸二十世紀が丘店」はまずはその名前が気になる。

どのへんが二十世紀なんだろうか。

道中には明らかに元ユニクロ西松屋。二十世紀を感じる……!!

早すぎるフラグ回収だったぜ。

そうこうしているうちに松戸二十世紀が丘店に到着。二十世紀が丘という地名はこのあたりで二十世紀梨が発見されたことに由来するらしい。(しかも見つけた場所は二十世紀が丘梨元町という名前になっていた。梨に全ベッドしている。)

そもそも何が二十世紀なのか、松戸市観光協会のHPの説明をざっくり紹介すると、1888年に偶然発見された二十世紀梨は10年後の1898年に果実が実り、その果実がおいしかったことから間もなく訪れる20世紀に、これ以上の梨が現れることはないだろうという意味で「二十世紀」という名前がつけられたらしい。

現代のオタクが言う「千年に一度のアイドル」みたいなのものがすでにこの時代にあったとは。まだ20世紀が始まっていないのに二十世紀梨を名乗るのは自信が過ぎる。

まぁ、恋愛レボリューション21だって20世紀の曲だし、こういうのは始まる直前が一番盛り上がるものかもしれないが。

本題に戻ろう。

ケケはドーナツにココナッツをかけたおなじみのパターン。

揚げたてなのがうれしい。天ぷらの時にも同じことを思ったが、専門店でもないのに揚げたてのドーナツを食べられるのは、大変にありがたい話である。

14店舗目……サンデーロースト(英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国))/押上(スカイツリー前)駅前1F店

ふたたび東京に戻ってきて、スカイツリーに来ました。

押上(スカイツリー前)駅前の店舗は1Fと2Fに分かれていて、それぞれ別のメニューが食べられるというので、これは2連続で行くしかない。

まずは1Fから。

押上(スカイツリー前)駅前1F店はイギリスのサンデーロースト。ローストビーフ、ジャガイモ、ミックスベジタブルがワンプレートになっている。

イギリスでは日曜日の昼食の定番だというが、日本でいう、おにぎり・卵焼き・ウインナーの3点セットみたいな感じだろうか。

 

15店舗目……チキンムアンバ(アンゴラ共和国)/押上(スカイツリー前)駅前2F店

そして、すぐさま2Fに移動する。

いつものようにタッチパネルから注文しようとすると、チキンムアンバが見当たらない。通常、万博メニューが載ってある大阪・関西万博商品のページが物販メニューと同じになっているのだ。

これはまずいぞ。先に2Fに来ていればよかった。


全店舗を問題なく回れることはないよなと、諦めてマグロを食べていたら、目の前のレーン上をすーっと通り抜けていった。


果たしてもう一周流れて来るのか。

 


来ました。

流れてきたチキンムアンバはまさかの寿司になっていたが、味はうまい。
食べられたので細かいことは気にしないようにしよう。ただ、シャリはないほうがいいような気がする。

現在時刻は20時過ぎ。もう何店舗か回れる時間はあるが、腹がいっぱいなので帰宅するとしよう。こういうのは無理すると一気に見てられなくなりますからね。


ここまで巡った店舗数……15/32店舗

 

3日目

16店舗目……鴨のロースト トリュフソース(ハンガリー)/池袋サンシャイン60通り

3日目は池袋からスタート。

これには理由があって、くら寿司はなぜか池袋に3店舗もあり、しかも次に行く池袋サンシャイン60通り店の開店時刻が土日は10時20分からで他の店よりやや早いと来ている。

くら寿司を効率的にはしごするには池袋スタートは鉄板の戦略になるだろう。

サンシャイン60通り店はビルの6階にあった。

このビル、パチンコ・ゲームセンター・カラオケ・ネットカフェ・居酒屋等々、いろいろな欲望が詰まっててとてもよい。

ハンガリーの料理は鴨のロースト トリュフソース。

鴨肉はしっとりめで、クラッカーがついているのが地味にうれしい。

さっと食べて次の店舗に向かう。

 

17店舗目……アジデジ(トーゴ)/池袋東口

池袋サンシャイン60通り店と池袋東口店はかなり近い距離にあって、歩いて10分もかからなかった。さすがに押上には負けるが、その次くらいで近いんじゃなかろうか。

テナントはヤマノミュージックサロンとリアル脱出ゲームの店舗が入っていて、さっきの店と比べて急に優雅になった。

校風の違う学校に転校してしまったような肩身の狭さをなんだか感じる。

トーゴ料理のアジデジはチキンにピーナッツソースをかけた料理だ。

肉にピーナッツソースの組み合わせは初めて食べるが、とてもよく合う。付け合わせのナスとししとうも合わせてワンプレート料理のような豪華さを感じる。

18店舗目……ピカンテデポジョ(ボリビア多民族国)/池袋駅西口店

さて次は11時開店の池袋西口店に向かう。

この記事は万博で食べられる商品の紹介だけでなくて、店舗がある街の紹介もしているつもりなので、印象的な出来事があったら都度メモしていたのだが、池袋西口のところには「爆速のおばあちゃん」とだけ書いてあった。

なかなか文字だと伝わりにくいと思うが、説明をすると、駅の東西連絡通路を歩いてたら、ありえない速さのおばあさんに思いっきり追い越されたということである。

これだけのことなのだが、それにしても思わずメモしてしまうほどの速さだった。

ちょっと考えなくてはいけないのが、これが伝わりにくい現象なだけなのか、丁寧に「観察」をしようとし過ぎて自分の感性がバグってしまっているのか、後者の可能性もあるということだ。

気を付けたい。

 

この角度から見ると「くらくらくらくら」になっている。

池袋駅西口店はボリビアのピカンテデポジョ。

何の変哲もないチキンに見えるが、赤いソースがめちゃくちゃ辛い。コーンと見たことあるイモがいてくれることに安心感を覚える。

 

さて、万博メニュー以外にも随時寿司などを食べてるわけだが、このあたりで手持ちのよく食べるメニューを使い切ってしまったので、普段なら頼まないものゾーンに入ってきた。

これはたしか「活〆パンガシウス

東南アジアにいるナマズのような魚らしいが、思えば寿司ネタも世界のいろんな場所から来ているんだなということに気づかされる。

と、このあたりで優等生っぽいコメントも抜け目なく入れておこう。

 

19店舗目……パパクリオージャ オガオソース(コロンビア共和国)/中野駅南口店

中野にやってきました。

とっくの昔に取り壊されたと思っていた中野サンプラザがまだあることにびっくりしたが、色々あって再開発が遅れてるらしい。

 

さて、中野駅南口店のメニューはというと。

あれ、さっき見たぞ。

コロンビアのパパクリオージャ オガオソースはじゃがいもにトマトソースが載っているメニューだ。

素人からすると、さっきのじゃがいもが4倍になって再び現れただけのように見えるが、決して手抜きというわけではなく、コロンビアの伝統的な調味料であるオガオソースは大使館のシェフに教えてもらった というし、なんといってもじゃがいもはコロンビア産とのこと。

ただ、食べているときはそんなことは知らないので、じゃがいもが続いたことに若干テンションが下がってしまっていた。自分が回った順番が悪いのもあるが、これはきちんと反省をしたい。

 

そろそろ寿司を食べるのにも飽きてきたので、食後に中野ブロードウェイを散策していたら、ついうっかり1970年の大阪万博の記念100円硬貨を買ってしまった。

明らかに集中力が切れてきている。

 

20店舗目……セビーチェ(ペルー共和国)/落合南長崎

落合南長崎店はペルー料理のセビーチェ。

写真だとコーンに隠れて見えないが、この下にキューブ状になった白身魚とサツマイモがマリネされて入っている。中盤、怒涛の肉料理ラッシュがあったが、ここに来て初の生魚である。当然おいしい。

落合南長崎店のビルの真横に気になる看板があった。

トキワ荘マンガミュージアム

これは手塚治虫藤子不二雄石ノ森章太郎らが住んでいたあの伝説的アパート・トキワ荘か。だとすれば行くしかない。

おお。これが本物のトキワ荘か。

と思ったのもつかの間、実はオリジナルは1982年に取り壊されていて、現在建っているミュージアムは2020年に開館したものだという。令和に建てられたものだとは思えないエイジングである。

 

ちなみにトキワ荘マンガミュージアムは本来、予約制だが空きがあると当日でも入れる。この日は運よく入れたが、当時の部屋の再現や展示室など充実した内容になっているので、時間のある日に改めて来たいところである。

完全に余談だが、和室の4畳半はベッドがない分で意外と広く感じるのも発見だった。

 

21店舗目……ロパビエハ(キューバ共和国)/大泉インター店

脱線続きであるが、本編に戻りたい。

次の大泉インター店は大泉学園駅から徒歩18分である。

大泉学園駅東映の大泉スタジオの最寄り駅らしく、駅前にはアトムやメーテル銅像が立ち並んでいた。うっかり手塚治虫聖地巡礼をしているファンみたいなルートになってしまった。

目当てのロパビエハを注文しようとタブレットを触ると、またしても注文できなくなっていたので、仕方なく冷凍いちごを食べながら代わりにどの店で取るかを思案していたら、ふつうにレーンに流れてきて事なきを得た。

危ないところだったぜ。

ロパビエハはどこか懐かしさを感じる味わいのトマト煮込み。何も知らずに食べていれば、日本のどこかの地方の家庭料理といわれてもしっくりきそうな感じだった。

 

次の店まで歩いていると大泉ジャンクションを見つけた。

外から見るとこんな感じなのか。

大泉ジャンクションの近くにはプールでしか見ないベンチが置いてあった。

広い意味でここはプールなのかもしれない。

22店舗目……【ノルウェー産】サーモンカルパッチョノルウェー王国)/光が丘IMA店

大泉インター店から光が丘IMA店までは歩いて48分。長かった。

光が丘IMA店は【ノルウェー産】サーモンカルパッチョ。わざわざ頭にスミカッコを付けているくらいノルウェー産というのを押し出している。スミカッコといえば、【推しの子】の【】の部分はどういう意味があるんでしょうか。

 

光が丘名物の和風のロイヤルホスト。おそらく和食レストランだったところの居抜きなんだろうが、違和感がすごすぎる。むかし千葉で和風のサイゼリヤを見たとき以来の衝撃であった。

次の店舗に向かうため、光が丘公園を突っ切る。

カップルがバドミントンする横で夕焼け小焼けのチャイムが鳴っていて大変にのどかな光景である。自分が子供のころはこのチャイムが流れたら家に帰れと言われていた気がする。

時刻は16時30分、夕焼け小焼けが流れるには早いように思うが、これは地域によってバラつきがあるように感じる。かつて那智勝浦だったと思うが、20時に流れてびっくりした。何を知らせるためなんだ。

23店舗目……ルカイマット(カタール国)/成増店

成増店はドン・キホーテの中にある。

大きなドンペン君がこちらを見ている。

ルカイマットはカタールの伝統的なドーナツ。だばだばにシロップがかかっていて、かなり甘いが、この甘さがとてもマッチしていてよい。

個人的にはココナッツ(ケケ)よりもこっちがおすすめ。

24店舗目……月餅(中華人民共和国)/鶴瀬店

成増から電車に乗って埼玉県の鶴瀬駅に来ました。

次はいよいよ本日9店目。事前にルートを決めていた時は絶対途中で行き詰まると思っていたが、実際にやってみると意外となんとかなるものですね。

鶴瀬店はロードサイト型の店舗。

日曜夜ということもあって、それなりに盛況だった。

鶴瀬店のメニューは中国の月餅。

ここで月餅か。予想外過ぎる。

もっと中華っぽいなにかがあったような気もするが、このキャンペーンのためだけに68種類のメニューを増やすのは、それだけ調達する食材の種類が増えたりするわけで、かなり無理しているんじゃなかろうかと心配になってしまう。

その点、月餅は長持ちしそうだし、調理しないで済むし、ラッキーメニューだ。

店舗ごとに提供する商品が違うわけだから、どこかの店では「うちの店超絶調理めんどいやつじゃん」となっている光景があるに違いない。

月餅を食べきったのは18時半。まだまだ回れそうな気もするが、明日から普通に仕事があるのでこの辺でいったん切り上げよう。

 

ここまで巡った店舗数……24/32店舗

 

4日目

25店舗目……ボクスティ(アイルランド)/原宿店

さて、くら寿司を24店舗巡った怒涛の3日間から1日空いた火曜日。続きを進めるためには私はまたくら寿司へと向かっていた。

この日は運よく祝日だったので、残りの8店舗を何としても今日中に回り切りたい。

初日に無念の受付終了だった原宿店に4日ぶり2度目のチャレンジ。

開店直後に行ったが、激混みで受付には行列ができていた。さすが祝日の原宿。「テーブル4時間待ち」と書いてあって、戦慄が走るも、なんとか20分程度で案内されて一安心。

アイルランド料理のボクスティはじゃがいものパンケーキ。中央の黄色いソースはチェダーチーズで、じゃがいもはかなり軽い食感でふわふわしていた。

なんだか休日の朝食っぽさもあり、最終日の幕開けにふさわしい一品だった。これはいいスタートを切ることができたのではないか。


そして、エスカレーターにデカデカと書かれていたクレープも食べねばならない。

クレープは注文すると店の中にある屋台でスタッフが作ってくれ、完成すると取りに行くスタイル。

チョコバナナのクレープは380円(税込み)で、わりとしっかりしたものが出てきたのでテンションが上がった。

ただ一点だけ謎なのが、なぜクレープ生地がピンクなのかということだ。原宿だからピンクなのだろうか。

 

26店舗目……エリソス(チリ共和国)/渋谷駅前店

続いては渋谷駅前店。三方向からでかいアドトラックが来たときは、世紀末にいる錯覚を起こした。今こんな感じになっているのか、渋谷。

長い時間待つことを覚悟していたが、30分ほどで案内される。

チリの料理・エリソスは刻んだきゅうりと紫たまねぎにウニが入った料理。こういう小鉢っていいですよね。日本酒を飲みたい。

27店舗目……チリクラブ(シンガポール共和国)/川崎溝の口

神奈川県の溝の口に移動しました。

くら寿司を巡って1都3県、移動距離はどれほどになっているのか。

ここまで巡ってきた中で半分以上は初めて来る駅だが、溝の口はその中でも群を抜いて可能性を感じる。これは絶対にいい街に違いない。こういう駅前に雰囲気のある飲み屋が立ち並んでいる街、好きなんですよ。

晩杯屋と魚がし日本一があるのもポイントが高い。

 

ちなみに溝の口には「溝の口駅北店」と「川崎溝の口店」があるが、駅北店はすでに獲得済みのパパクリオージャ オガオソースを提供しているので、今回は全力でスルーさせていただく。

川崎溝の口店の一番目立つ看板には「回転寿司」とだけ書かれていた。NHKが経営しているのか。

シンガポール代表はチリクラブ。ソフトシェルクラブを揚げた料理にアレンジしての登場である。殻ごと食べられるカニがすごい好きなので、これはかなり嬉しい。

ちなみに先ほどからリンクで登場しているグルメWatchの記事だが、「くら寿司 万博メニューCOLLECTION」として、商品開発の人に一品ずつインタビューをしている。

正直な話をするとこの記事を読むよりもグルメWatchを読んだ方が情報量が多い。

が、記事も終盤。ここまで読んでいるなら最後まで読んでほしい。

あと5店舗、ギアを上げて行きたい。

 

28店舗目……ぺスカド・コン・ココ(ドミニカ共和国)/二俣川駅前店

二俣川駅にやってきました。

しばらく東急ゾーンが続くが、ふっとしぶそば(東急の駅そば)に入ってしまいそうになる。別にすしを食べ続けているわけではないし、くら寿司でもそばやラーメンが出てるのだが、王将とかマクドナルドの看板も普段より輝いて見えるから不思議だ。

 

二俣川駅前店は1F・くら寿司、2F・快活クラブ、3F・ジムという構成。くら寿司と快活クラブは同じテナントに入っていることが多いような気がするが、相性が良かったりするのだろうか。

ドミニカ共和国のペスカド・コン・ココは非常にカラフルな見た目をしている。

この写真だと一見どうなっているか分かりづらいが、ティラピアのから揚げにココナッツトマトソースがたっぷりとかかっていて、おいしかった。

東急沿い、やたら料理がおしゃれなのは気のせいだろうか。

29店舗目……ローストビーフオーストラリア連邦)/武蔵小杉店

続いては武蔵小杉店。

駅前はタワマンばかりだが、くら寿司はどんな街にも変わらず同じ顔を見せてくれる。

武蔵小杉はオーストラリアのローストビーフ

イギリス料理として出てきたサンデーローストとは付け合わせ以外に何か違いはあるのだろうか。まずソースが違うような気はするし、肉も厚いような。個体差かもしれないが。

ところで武蔵小杉店で食べた海鮮ちらしがめちゃくちゃにうまかった。正式なメニューではないようだが、ぜひ見かけたら食べてみてほしい。

30店舗目……アホ(パラオ共和国)/南千住店

場所は一気に飛んで南千住に。近い店舗を連続してとれるようにルートを組み立ててきたが、ここに来て限界を迎えたようだ。

関西の人にわかりやすくお伝えすると、西宮から貝塚に行くくらいの移動があったといえば理解してもらえるだろうか。

ありていに言えば電車で1時間20分くらいかけて東京の南端から北端まで縦断した感じである。

南千住のくら寿司は商業施設の中にある。

くら寿司と移動をひたすら繰り返していると、これってサーキットトレーニングだよな、と段々思ってくる。もしくはサウナだ。

同じことを繰り返すと脳がバグるのか、「ゾーンのようなもの」に入った気がしてくる。


商業施設にあるからか、南千住店は割と混んでいた。

いつものようにカウンターを指定して受付をするも、先にテーブルに案内される。
アホを探すが、またもタブレットにはないパターン。

「とはいってもレーンに流れてるんでしょ」とレーンをひたすら眺めるも、そもそもレーン上に案内のパネルすら回っていない。

 

回転ずしのレーンは15分くらいで1周するらしいので、それくらいたったところで諦めて帰る。このチャレンジ通しての初の取り逃しだ。思いのほかショックを受けている自分がいて恥ずかしい。

アホ、名前面白いもんな。

「ゆうと君、見てみな、アホがあるぞ。よーし、お父さんアホ頼んじゃうかー」とかやってそうだもんな。

 

31店舗目……フライドティラピア中央アフリカ共和国)/足立青井店

失意の中、つくばエクスプレス青井駅に向かう。

青井駅、話には聞いていたが駅前になんにもない。*1あるのはセブンイレブンが2つ。せめて片方はローソンかファミリーマートであってくれ。

 

足立青井店に到着。

南千住で取り逃がしたアホは千葉の野田まで行けば今日中に食べられるが、そうすると次に行く東日暮里に到達できない。じゃあもう1日増えるのか……などと考えていたらいつの間にか着いていた。

中央アフリカ共和国のフライドティラピアはいつもの紫キャベツ&きゅうりが付け合わせに付いてきた。うまいが目新しさはない。

自分の好みだとペスカド・コン・ココの方がおすすめである。ただ自分の舌が味の濃いものを好きなだけという面も否めないけれども。

 

32店舗目……コラックラブ(インドネシア共和国)/フレスポ東日暮里店

記念すべき32店舗目はフレスポ東日暮里店。これで「くら寿司が大阪・関西万博で世界の料理を商品化したので、関東で食べられる32店舗を全部巡ってきた。」というタイトルは回収したことになる。

もちろん1品食べられなかったわけではあるが、32店舗は回っているので、看板には嘘偽りなしである。

インドネシアの料理はコラックラブ。

おなじみココナッツクリームに今度はカボチャが入っている。味の想像がなかなかつきにくいと思うが、こちらも言葉にするのが難しい。今まで食べたことない味だが、ココナッツとカボチャの組み合わせは意外と悪くない。

 

ここまで巡った店舗数……32/32店舗

5日目

アディショナルタイム

ここまで来て32品目を食べない訳にはいかんよね。

ということで、4日後の土曜日に再び南千住へ。

くら寿司を32店舗まわるといういうことは、大体30近い街を足早に巡ったということにもなるのだが、ユニクロダイソーはまるで自分が監視されているかのごとく至る所にあった。凄すぎる。

まったく変わらない入口。これで売り切れだったら泣くかもしれない。

32品目・最後の料理はパラオのアホ。

このココナッツクリームの中に白玉が入っていて、公式ページでは「南国風おしるこ」と書いてあったが果たして。
食べてみると確かに納得で、ココナッツクリームのあまみを上手く白玉が受け止めていてちょうどよかった。


まとめ

1970年の大阪万博をきっかけに、国内に広がったと言われている回転寿司だが、55年を経て、国民食となった回転寿司が世界の料理を引っ提げて万博会場に凱旋する。

これだけでストーリーが出来過ぎている気がしないでもないが、さらに万博に参加予定の国と地域を代表する68種類もの料理を再現するというのは荒業が過ぎないか。

 

各国がどんなパビリオンやイベントを出すのか期待を胸に抱きつつ、近所のくら寿司でどこかの国の料理を食べてみるのもまた一興だろう。全メニューと販売店舗はHPで公開されているのでそれを参照されたい。

 

ちなみにくら寿司は東日本エリア、西日本エリア、九州・沖縄エリアでメニューが分かれているので、今回登場しなかった残りの36メニューは西日本/九州の店舗を回るか、万博会場に行くしか食べることはできない。

今回、紹介できなかったメニューにはトルコのケバブサンマリノのピアディーナスリランカのキリパニ等々、バラエティーあふれるメニューが控えてる。

気になった人は全国のくら寿司を回ってみてはいかがだろうか。全国を回るのがしんどい人はぜひ万博会場でその味を確かめてみてほしい。

*1:この隣駅の六町に住んでいた三遊亭円丈という落語家が、つくばエクスプレスが開通した当時のことをブログに書いているのでそれを参照されたい。

コンビニ勢力地図2024-2025

三重にファミマが多くないか?

このところ三重県と愛知県に行く機会が多かったのだが、車で国道を走ってるとやたらファミマを見る気がしていた。地域によってコンビニの種類に偏りがあるとは思っていたが、実際どうなのか。調べてみたのでお伝えしたい。

 

これが日本国内のコンビニ店舗数ランキングだ!

ということで、導入がかなり雑だったが、日本国内のコンビニ店舗数ランキングを用意したので、とにかく見てほしい。

地域差を考える前にまずは全国の状況をおさらいしておこうという魂胆である。

1 セブンイレブン 21592
2 ファミリーマート 16259
3 ローソン 14643
4 ミニストップ 1855
5 デイリーヤマザキ 1315
6 セイコーマート 1192
7 ポプラ 391
8 スリーエフ 326

(2024年8月時点)

ちなみにこの文章を書いているのは2024年の12月末(公開は翌25年の1月)だが、店舗数が8月時点なのは単純にさぼってたからである。多少増減があるかもしれないが、大目に見てほしい。

数え方や参照したデータについては後述するが、おおむね主要なコンビニとされているのは広く見積もってもこの8社のようだ。

 

その中でも誰もが知ってるであろうセブンイレブンファミリーマート、ローソンの大手3社はざっくり3割ずつシェアを持ってて、合計で9割弱になる。

そんな気はしていたが、改めてデータを突き付けられるとかなり多く感じる。

 

そこにミニストップデイリーヤマザキセイコーマートを加えて主要6社みたいな言い方をすることもある。ちなみに4位以降は大手3社に比べると店舗数が急に10分の1程度になって1000~2000店舗ほどだ。

参考までに日本にあるサイゼリヤの店舗数は1000店舗ほどだから、これでも数としてはめちゃくちゃ多いことが分かるだろう。

 

さらに7位、8位がぐっと減ってポプラとスリーエフがどちらも300店舗台になる。

ややこしいのが駅にある売店でおなじみNewDays(約600店舗)の扱いだが、これはランキングに入れないことの方が多いようだ。

 

では9位以降は?という疑問が湧くが、おそらくセイコーマートグループのハマナスクラブ(北海道)が推定30店舗で9位になるはずだ。詳しい店舗数のデータは不明なので、誰か知ってたら教えてほしい。

この次点となると10店舗程度のローカルコンビ二がランクインしてくる。具体的にはさくらみくら(群馬)、 オレンジBOX(福井)、ら・む~マート(岡山)、くいしんぼ如月(高知)、ハセガワストア(北海道)あたりだ。

 

平成の初めごろは群雄割拠だったように思えるコンビニチェーンも、収束が進んで現在は三国時代にあるといえるのではないか。

では、コンビニ三国時代の地図を書くとして、各陣営はどこに勢力を持っているのだろうか。

 

都道府県別の店舗数を見る

ということで、次に調べたのが都道府県ごとのコンビニ店舗数である。

幸いなことに各チェーンが詳細な情報をネットに載せていて、集計自体はそれほど手間取らなかった。

表はじっくり読む必要がないので、とりあえず「ふーん」とか「へー」とか言いながら飛ばして読んでほしい。

 

都道府県別コンビニ店舗数(1)

  セブンイレブン ファミリーマート ローソン セイコーマート
北海道 996 236 702 1094
青森 111 183 279  
岩手 157 176 178  
宮城 440 324 259  
秋田 118 123 178  
山形 187 133 108  
福島 452 173 169  
茨城 644 319 217 89
栃木 472 217 198  
群馬 480 114 240  
埼玉 1246 765 688 9
千葉 1168 634 595  
東京 2891 2,408 1,651  
神奈川 1509 987 1,060  
新潟 432 165 223  
富山 131 148 176  
石川 134 240 101  
福井 71 146 106  
山梨 206 80 134  
長野 457 257 167  
岐阜 190 344 177  
静岡 753 498 273  
愛知 1055 1,587 719  
三重 177 393 136  
滋賀 223 154 152  
京都 352 330 326  
大阪 1295 1,350 1,195  
兵庫 694 506 705  
奈良 136 150 134  
和歌山 86 107 155  
鳥取 53 68 136  
島根 66 62 140  
岡山 316 231 245  
広島 598 254 302  
山口 323 89 129  
徳島 84 82 135  
香川 112 117 132  
愛媛 128 216 218  
高知 49 98 138  
福岡 1049 528 525  
佐賀 194 75 78  
長崎 205 153 123  
熊本 376 190 167  
大分 186 120 200  
宮崎 202 131 111  
鹿児島 212 261 201  
沖縄 176 337 262  
  21592 16259 14643 1192

都道府県別コンビニ店舗数(2)

  ミニストップ デイリーヤマザキ ポプラ スリーエフ
北海道        
青森 25 11    
岩手 10 20    
宮城 103 31    
秋田   15    
山形   6    
福島 74 16    
茨城 94 29 4  
栃木 27 15    
群馬 44 22    
埼玉 126 64 15 26
千葉 161 118 26 61
東京 253 123 52 85
神奈川 110 76 18 154
新潟   54    
富山   8    
石川   9    
福井 7      
山梨   29    
長野   34    
岐阜 81 44    
静岡 119 29    
愛知 187 67    
三重 80 7    
滋賀 5 3 3  
京都 34 28 3  
大阪 80 117 17  
兵庫 41 48 6  
奈良 10 18    
和歌山   19    
鳥取     3  
島根   1 9  
岡山   14 31  
広島   28 113  
山口   7 17  
徳島 18 3    
香川 29 16    
愛媛 7 5 1  
高知        
福岡 114 64 44  
佐賀 12 11 4  
長崎   42 14  
熊本   51 9  
大分 4 12 2  
宮崎   1    
鹿児島        
沖縄        
  1855 1315 391 326

 

そして導き出されたのが冒頭の図である。

前置きが長くなったが、ここからが本題である。

もっとまだらに図が塗られるのかと思ったら、くっきりとした傾向の分かりやすいデータが出て驚いた。

たしかにファミリーマートは愛知・三重で多そうだ。詳しく見ていこう。

 

コンビニごとの特徴を考える

関東と九州で強い!王者セブンイレブン

2019年に47都道府県出店を達成したセブンイレブン

都道府県ごとの自社のシェア率を分かりやすくするために色分けしたのが下記の図になる。*1

一目で分かる。明らかに強いぞ。

なんと高知と青森以外は驚異のシェア20%以上。そのうち半分はシェア40%以上となっている。三国時代とはいったが、明らかに地域によってはセブンイレブンが支配しているエリアがある。都道府県ごとのシェア最大は山口県で57%になる。凄すぎる。

 

ただその一方で、強いエリアには傾向もあることが見て取れる。シェア率40%以上の都道府県は首都圏を中心に固まっていて、セブンイレブンが実は東に多いコンビニだったことに気づかされる。あと、意外だったのが九州にもかなりシェア40%以上の県がある。

そのせいか、東京大阪名古屋の三大都市圏ではシェア40%に到達しないのが逆に目立つ。関西や中部もほかの地域に比べるとシェアは低い。

低いといっても十分すぎるほど高いんだが、関東で生まれ育った身からするとセブンイレブンがトップでない県があるのが衝撃だった。

 

余談だが、関西に旅行に行ったときにセブンのおにぎりの海苔が味のりだったのにびっくりした記憶がある。各地域に工場がある関係からか、思いのほか地域色が出ているようだ。ホットスナックや弁当などはその地域でしか売ってないものも多い。

セブンイレブンの公式サイトには「今週の新商品」というページがあって、地域ごとに新商品が紹介されているのだが、同じような商品でも地域ごとに細かな違いがあって、ちょっとした間違い探しができる。

www.sej.co.jp

人気店とコラボした弁当やラーメンもたまに見かけるが、あれが地域によって違うことがあることを知ってからたまに出張先のビジネスホテルに買って帰るようになった。下手な店に行くよりもよっぽど観光気分を味わえるのでおすすめである。

 

中部地方に盤石の地盤を持つファミリーマート

さて、話の発端になったファミリーマートである。

セブンイレブンに次いで業界2位の立ち位置だが、セブンイレブンに先駆け2006年に47都道府県を果たしており、津々浦々どこにでもあるのではないかという気もする。

果たしてどうだったのか。

うーん。明らかに地図の真ん中の色が濃い。ファミリーマートは中部で強いとはっきり言えそうだ。

では、ファミリーマート中部地方で創業したのかというとそういうことはなく、調べたら1号店は埼玉県狭山市だった。おそらくサークルKやサンクス、ココストアといった中部地方に店舗が多かったコンビニを吸収合併していった経緯があるからだろう。

沖縄も強いが、これもホットスパーが沖縄に多かったことに由来するはずだ。

 

北海道の店舗数が少ないのは意外だが、これも調べたら興味深い話がネットにあった。かなり端折って言うと、ファミリーマートの親会社である伊藤忠商事が、北海道に店舗の多いセイコーマートのグループ企業と資本関係にあったというのだ。そのため、47都道府県で最後に出店したのは北海道だったという。

所属タレントが裏番組には出ない的な大人の配慮を感じる。

 

西日本と東北を中心に勢力を誇るローソン

先ほどファミリーマートが2006年に47都道府県を果たしたと書いたが、ローソンは1997年に達成していたらしい。早い。

シェアにはどう影響するのだろうか。気になるところである。

意外な結果が出た。

シェア40%以上なのが、青森、秋田、和歌山、徳島、高知、鳥取、島根の7県だ。これらの地域がセブンイレブンが遅れて出店してきた地域ということを考えると、その分ローソンが多いということなのか。

特にシェアを持っている地域を挙げるとしたら、東北と西日本ということになるだろう。とはいえ、兵庫県ではかろうじてシェアトップを死守したものの、創業の地である大阪ではファミリーマートがトップになっていた。(ちなみに京都はセブンイレブンが1番多い)

ここからは完全に本筋からそれるが、神戸にダイエーの創業者・中内功氏が設立した流通科学大学内にダイエー資料館というダイエー関連の資料が展示されている施設がある。先日行ってきたのだが、大学内の資料館とは思えないほどに、驚くほどに整備されている。

当時のパンフレットや制服、社内文書なども保管されていて、さすが一時代を築いた企業だなと唸っていたところであるが、ローソンは元々ダイエーが作ったので、ローソンの資料もふんだんに残されていた。

中には、明らかに当時の重要書類だったのでは?というものも紛れていて勝手にハラハラしたが、よく見ると50年くらい前のものだったので、こうなってくると貴重な史料として扱いが大事になってくる。

50年ほど前の開店チラシには丁寧に「開店のごあいさつ」なる項目があって、そこでは「食料品と雑貨のお店」と紹介があった。当時はまだコンビニエンスストアという業態に馴染みがなかったのかとも思ったが、一緒に置いてあった当時のレイアウト図を見ると、そもそも現在とは取り扱っている品に若干の違いがあることが分かる。

長くなりそうなので、余談はここらで切り上げたい。ダイエー資料館自体は魅力的な施設なので、暇があればどこかで紹介したい。

 

お皿とアイスはデイリーヤマザキ

さて、続いてはデイリーヤマザキ

ヤマザキといえば春のパン祭りだが、ポイントを集めると期限ぎりぎりで「あと何点あればお皿がもらえるんだけどな」ということが、起こるときがあると思う。(ないかもしれない)

デイリーヤマザキではなんと弁当やおにぎりにも点数がついてるので、パン以外でも点数を貯められるという裏技があるのだ。

あと、なぜかカップサーティーワンアイスクリームが売ってて、深夜のデイリーヤマザキであれを買うとテンション上がるのでおすすめです。

 

そんなデイリーヤマザキのシェアはこの通り。北海道や沖縄など一部の道県には存在しないが、わりと広く分布している印象を受ける。

ただし注意深くその内訳をみていくと、島根県・宮崎県は1店舗、滋賀県は3店舗しかなく、カバーしていないエリアも割と広そうだ。

店舗が多い地域はわりとばらばらで、「この地域に強い」ということを導くのは難しそうだが、一番シェアが高い長崎県ではシェアが8%もある。北海道のファミリーマートと同じくらいの割合だ。

なぜ長崎県に多いのかは分からないので、誰かが教えてくれるのを待ちたい所存ではあるが、確かなのは長崎県民はパン祭りでお皿をもらいやすい県だということである。

我ながら雑なまとめ方である。

 

地域によってはシェア10%のミニストップ

ホットスナックが充実しているミニストップ

子どものころに徒歩数分でミニストップがあるところに住んでいたので、小遣いを握りしめてハロハロを買いに行った思い出がある。

ブドウや桃のパフェもうまいので、たまに無性に食べたくなるのだが、いざ探すとないときがある。完全な経験則だが、ミニストップはあるところにはあるが、ないところにはまったく店舗がない気がする。わりと偏った分布がでてくるのではないか。



予想通り多いところには多いが、ないところにはまったくない。

特に中国地方には皆無だ。東北~北陸にかけての日本海側も空白地帯が多い。

と思えば、宮城、岐阜あたりは10%に迫る勢いで、三重は10%を超えている。三重県で創業したイオン系列だから、三重のシェアが高いのは納得できるが、ほかの地域はなぜこんなに多いんだろうか。

シェアだけみると茨城千葉以外の関東が弱かったり、徳島香川がやたら多いのも謎だ。

何らか考察でもしたいものだが、ここは潔く「わからなかった」としておきたい。

来年の自分が加筆してくれることを期待しよう。

 

実は関東にもあるセイコーマート

北海道といえば、セイコーマート。北海道に行くとその店舗数の多さにびっくりする。

ホットスナックでザンギが売っていたり、ガラナやリボンナポリンなどの北海道限定の飲み物が売っていたりと、かなり独自の商品展開をしているのも特徴だ。

弁当コーナーにある128円のパスタやメロンソフトもいい。

都道府県ごとのシェア率を見てみると、北海道のシェア率は圧巻の36%。堂々のシェアナンバーワンである。
ほかの都府県はほとんど店舗がないが、実は茨城と埼玉にもある。

つまり、ガラナやザンギは関東でも食べれるわけで、これを見てる茨城県民と埼玉県民は下手な北海道物産展に行くよりも、最寄りのセイコーマートに行くべきだと、声を大にして言いたい。

「いや、うちの県からは関東も北海道も遠いんだけどな」と嘆くあなたにも朗報がある。セイコーマートには公式の通販サイトがあるので、ぜひチェックしてみてほしい。日本の夜明けは近い。

online.seicomart.co.jp

ちなみに、通販サイトはミニストップにもあって、ハロハロこそ頼めないが、フローズンヨーグルトやチキンは買うことが出来るらしい。

online.ministop.co.jp

広島発・店炊きごはんのポプラ

広島のコンビニチェーンといえば、ポプラだが、一押しは弁当だ。

店内でおかずだけ入った容器がおいてあり、レジでご飯を盛ってくれる。さながら弁当屋スタイルだが、コンビニでこれをやってくれるのはうれしい。

やはりレンジで温めたごはんと炊きたてのご飯には大きな差があるし、ご飯の量も調整できるので助かる。

そんなポプラは中国地方に多いイメージだったが、実は関東にもあるし、九州北部にも一定のシェアを確保している。

広島県のシェアは9%と奮闘しているが、近年は「ローソン・ポプラ」としてダブルブランドで営業している店舗も増えている。こうした店舗はローソンの中に弁当などのポプラの商品が一部入った形で、単純な転換ではなく双方の強みが出ていて面白い。

店舗数が多くないと生き残れないコンビニ業界では、今後こうしたケースが増えていくのかもしれない。

総菜屋なのか本屋なのか、独自路線を進むスリーエフ

ポプラと同様にダブルブランドで営業しているのがスリーエフである。

ポプラと違うところは、スリーエフとしての店舗はもうなく、「ローソン・スリーエフ」に全て転換してしまっているところだ。

スリーエフ自体は神奈川県を中心にしたコンビニだが、これもまた特徴のある店舗が多い。まず、総菜と弁当の品ぞろえがバラエティーに富んでいる。

「ローソン・スリーエフ」はローソンの中にスリーエフが入っている形なので、もちろんローソンの弁当類は売っているが、それに加えてスリーエフのものも売っているので単純に選択肢が増えるのだ。

やきとり、寿司、ポトフなど、看板メニュー的なものはいくつかあるが、個人的にはハンバーグ弁当が好きでリピートしている。

また、書籍の棚が広い店舗も多い。他のコンビニでも雑誌やマンガを置いてあるところは多いが、桁違いに多かったりする。

スリーエフは神奈川県を中心に関東地方の4都県に展開している。

地図からは明らかに展開するエリアを絞っていることが一目で分かる。

シェアが最も高い神奈川県のシェアは4%で、ミニストップデイリーヤマザキよりも多く、県内4番手につけている。

看板も注意深く見ないと通常のローソンと見間違えてしまうが、神奈川では意外と多いのか。

 

あとがき

かつて「タラコでむひひ」というサイトに「コンビニ戦国地図」というコンテンツがあった。30年ほど前の今のようにインターネットが世の中に普及していない時代に、電話帳でコンビニの店舗数を集計して勢力図を作るという、気の遠くなるようなものだったが、戦国自体の名の通り、当時の地図は群雄割拠の時代だった。

セーブオン、サークルKサンクス、ココストアなどなど、コンビニのブランドは合併などを経て大幅に数を減らし、サイト自体もなくなってしまった。

では、この2024年時点でコンビニ業界のシェア争いはどのような結末を迎えたのかを知りたくて書いたのが、この記事になる。

 

さて、データが2024年8月時点なのになぜ2025年の1月まで公開が遅れたかというと、単純にサボっていただけでなく、書いている途中に朝日新聞がほぼ同じことをしていたのを見つけてしまったからである。

ちなみにコンビニ主要8社すべてがあるのは埼玉県のみであるということが今回の調査で分かった。

ナチュラルローソンファミマ!!などのサブブランドや、時代別の変遷などまだまだ書ききれなかったこともあるので、機会があれば何年か後にまた調べられればいい。

おそらく埼玉県のどこかの市町村に主要8社をどこでも利用できる奇跡的なポイントがさいたま市から八潮市あたりのどこかにあるはずなので、それだけでも調べたいところである。

 

データ・参考資料

セブンイレブンhttps://www.sej.co.jp/company/tenpo.html

・ローソン:https://www.lawson.co.jp/company/corporate/data/sales/

ファミリーマートhttps://www.family.co.jp/company/familymart/store.html

ミニストップhttps://www.ministop.co.jp/corporate/about/shop/index.html

デイリーヤマザキhttps://www.daily-yamazaki.jp/jn/area/

セイコーマートhttps://secoma.co.jp/aboutus/company.html

・ポプラ:https://www.poplar-cvs.co.jp/ir/tool.html

・スリーエフ:https://ltf.co.jp/company.html

※閲覧はすべて2024年8月31日現在。

デイリーヤマザキが約1300店舗あるのに対して、ヤマザキショップは倍の2600店舗ほど(https://www.yamazakipan.co.jp/ir/ir-library/databook/pdf/2011-2020databook.pdf

※ポプラは「ローソン・ポプラ」と「ポプラ、生活彩家、くらしハウス、スリーエイト、ハイウェイ彩家」の合算

※スリーエフは「ローソン・スリーエフ」としての店舗数

 

おまけ)都道府県ごとのシェア

興味がある人もいるかと思うので、店舗数だけではなく都道府県ごとのシェアも載せておく。

 

都道府県別コンビニシェア(1)

  セブン
イレブン
ファミリ
ーマート
ローソン ミニ
ストップ
北海道 33% 8% 23% 0%
青森 18% 30% 46% 4%
岩手 29% 33% 33% 2%
宮城 38% 28% 22% 9%
秋田 27% 28% 41% 0%
山形 43% 31% 25% 0%
福島 51% 20% 19% 8%
茨城 46% 23% 16% 7%
栃木 51% 23% 21% 3%
群馬 53% 13% 27% 5%
埼玉 42% 26% 23% 4%
千葉 42% 23% 22% 6%
東京 39% 32% 22% 3%
神奈川 39% 25% 27% 3%
新潟 49% 19% 26% 0%
富山 28% 32% 38% 0%
石川 28% 50% 21% 0%
福井 22% 44% 32% 2%
山梨 46% 18% 30% 0%
長野 50% 28% 18% 0%
岐阜 23% 41% 21% 10%
静岡 45% 30% 16% 7%
愛知 29% 44% 20% 5%
三重 22% 50% 17% 10%
滋賀 41% 29% 28% 1%
京都 33% 31% 30% 3%
大阪 32% 33% 29% 2%
兵庫 35% 25% 35% 2%
奈良 30% 33% 30% 2%
和歌山 23% 29% 42% 0%
鳥取 20% 26% 52% 0%
島根 24% 22% 50% 0%
岡山 38% 28% 29% 0%
広島 46% 20% 23% 0%
山口 57% 16% 23% 0%
徳島 26% 25% 42% 6%
香川 28% 29% 33% 7%
愛媛 22% 38% 38% 1%
高知 17% 34% 48% 0%
福岡 45% 23% 23% 5%
佐賀 52% 20% 21% 3%
長崎 38% 28% 23% 0%
熊本 47% 24% 21% 0%
大分 35% 23% 38% 1%
宮崎 45% 29% 25% 0%
鹿児島 31% 39% 30% 0%
沖縄 23% 43% 34% 0%
合計 38% 28% 25% 3%

都道府県別コンビニシェア(2)

  デイリー
ヤマザキ
セイコー
マート
ポプラ スリー
エフ
北海道 0% 36% 0% 0%
青森 2% 0% 0% 0%
岩手 4% 0% 0% 0%
宮城 3% 0% 0% 0%
秋田 3% 0% 0% 0%
山形 1% 0% 0% 0%
福島 2% 0% 0% 0%
茨城 2% 6% 0% 0%
栃木 2% 0% 0% 0%
群馬 2% 0% 0% 0%
埼玉 2% 0% 1% 1%
千葉 4% 0% 1% 2%
東京 2% 0% 1% 1%
神奈川 2% 0% 0% 4%
新潟 6% 0% 0% 0%
富山 2% 0% 0% 0%
石川 2% 0% 0% 0%
福井 0% 0% 0% 0%
山梨 6% 0% 0% 0%
長野 4% 0% 0% 0%
岐阜 5% 0% 0% 0%
静岡 2% 0% 0% 0%
愛知 2% 0% 0% 0%
三重 1% 0% 0% 0%
滋賀 1% 0% 1% 0%
京都 3% 0% 0% 0%
大阪 3% 0% 0% 0%
兵庫 2% 0% 0% 0%
奈良 4% 0% 0% 0%
和歌山 5% 0% 0% 0%
鳥取 0% 0% 1% 0%
島根 0% 0% 3% 0%
岡山 2% 0% 4% 0%
広島 2% 0% 9% 0%
山口 1% 0% 3% 0%
徳島 1% 0% 0% 0%
香川 4% 0% 0% 0%
愛媛 1% 0% 0% 0%
高知 0% 0% 0% 0%
福岡 3% 0% 2% 0%
佐賀 3% 0% 1% 0%
長崎 8% 0% 3% 0%
熊本 6% 0% 1% 0%
大分 2% 0% 0% 0%
宮崎 0% 0% 0% 0%
鹿児島 0% 0% 0% 0%
沖縄 0% 0% 0% 0%
合計 2% 2% 1% 1%

*1:凡例は以下の通り(以降同じ)。

濃いオレンジ:40%~、オレンジ:20%~、黄:10%~、緑:5%~、青:2.5%~、水:0%~

歌詞をたよりに集まる

東京駅からこんにちは。電車待ちに読むブログです。

突然ですが、みなさんはこんなことを思ったことはないだろうか。

ブレーキいっぱい握りしめる長い長い下り坂とか、望遠鏡を担いでったフミキリとか、行けるもんなら行ってみたいですよね。

「えー、あの頃バイクで飛ばした家までの道って3車線だったんだー」とか言いたい。

 

なんなら、地名が出てなくても有名な曲であれば歌詞から「おそらくこれはこの街だな」とか特定することもできるんじゃなかろうか。

 

ということで、インターネットでWeb記事を書いてる人を集めて、歌詞だけをヒントにそこから連想される場所で落ち合うことにした。あらすじおわり。

 

参加者紹介

古地図と防災無線をこよなく愛する街歩きライター。こういうニュースだけ見ていたいbotの作者でもある。書いた記事は「114年前のガイドブックを使って伊豆の伊東を観光すると楽しい(デイリーポータルZ)」など。

 

 

疾走感とみなぎるパワーで軽快な記事を書くライター。趣味も筋トレ、マラソン、サイクリングとエネルギッシュ。書いた記事は「次に流行る覇権スイーツを予想しました(ナンセンスダンス)」など。

 

 

その名前の通り、令和を生きるインターネットの化身。記事の内容が長すぎるWeb記事も好き好き大好き。書いた記事は「ピーポくんグッズ購入完全攻略マニュアル(令和6年7月版)(オモコロ)」など。

 

 

私です。細々と街歩きブログを書いていた結果、あわうみさんにスカウトされ参戦。特にペンネームを決めてなかったので、ブログの名前で呼ばれることになってしまった。書いた記事は「あのエネオスは元々どのブランドだったのか」など。

 

 

 

以上、4名でチャレンジを行う。ちなみにこの模様はほかの参加者も記事にしていたりするので、もし暇がある人はそちらもどうぞ。暇がなくても見てください。

 

 

 

ルールはこんな感じ。

 

ちなみにあわうみさん以外の2人とは初対面なので、「相手がこの曲好きそうだなー」「昔、恵比寿のバーでバイトしてたよなー」とか、そういう推理もできません。

 

ガチのマジっす。

 

渋谷スタートにしました。タイ料理がうまい。

僕も渋谷スタートです。

 

参加者も続々と集合。いざ開幕です!!!!!

 

現在の位置

ちなみにインターネット性善説ドラゴンさんは板橋から出発。インターネットは板橋にあった。

 

【第1ラウンド】イルカ/SOUL'd OUT

1曲目はSOUL'd OUTの「イルカ」でお願いします。お会いできるのを楽しみにしています!

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歌詞はこちら

ありがとうございます! 答えわかったかも。

移動します!!

 

ということで、1曲目はSOUL'd OUTの「イルカ」。

SOUL'd OUTといえば、代表曲に「ウェカピポ」などがあるDiggy-MO'率いるヒップホップグループだが、MVの影響かジャケット写真の影響なのか、勝手にサイバー世界や宇宙空間のイメージがあり、まったくイメージが出来ない。まずいぞ。

 

歌詞を読み込んで、曲を聴いてみる。

 

「二人が泳ぐイルカだったら」「こんな夜中だから水中遊泳」あたりがヒントになりそうだ。

 

イルカに会いに行こうとすれば水族館だし、曲の内容からすると、夜のプールっぽい。

これはイルカを目指すべきなのか。プールを目指すべきなのか……。

いや、まてよ。これは上野か?

上野の国立科学博物館はクジラのオブジェがあるが、ダイナミックさはSOUL'd OUTに通じるところもある。

まぁクジラとイルカはほぼ同じようなものだしな。

 

池袋のサンシャイン水族館のペンギンの水槽も、イルカではないけど、「水中遊泳」っぽさがあるしな……

 

まずい。わからんぞ。

さんざん迷いましたが、私のチョイスはここです。

しながわ水族館!!

やっぱり曲名が「イルカ」なんだから、イルカのいるところにしなきゃだよね。

ちなみに都内でイルカを観れるのはこのしながわ水族館とマクセル アクアパーク品川の2か所あるが、決め手はこれ。

入り口のオブジェにイルカが2頭。これは「二人が泳ぐイルカだったら」なんじゃないですかね。

ということで、ここで1時間が経過。

いざ運命の結果発表タイム。ビデオ通話をつないで、現在地を確認します。

果たして結果は……!!

 合流しました☆

想定していた答えは「マクセル アクアパーク品川でした。イルカのいる水族館は都内に2か所あるんですが、 アクアパークは夜まで営業しているので、そのイメージです。

曲名を聴いた瞬間にここしかないと思ったから、嬉しい!

確かにしながわ水族館はファミリーが多くて、Diggy-MO'のいる気配はまったくしないんだよな。

2択を外したね。

ちなみにあわうみさんは東京23区で唯一ウォータースライダーがあるという理由で「大田区萩中公園プール」に行ってましたが、後から確認したらぜんぜん他の区にもウォータースライダーはあったそうです。

区民プールにもDiggy-MO'はいなかった

 

現在の位置

 

1人正解者が出て良かった!

 

【第2ラウンド】君をのせて/井上あずみ

次は「君をのせて」です。1時間後に会いましょう。

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歌詞はこちら

ということで、2曲目は井上あずみの「君をのせて」。

天空の城ラピュタ」の主題歌として有名で、作曲・久石譲、作詞・宮崎駿という豪華タッグが生んだ不朽の名曲です。

 

ラピュタ、東京にないじゃん

というツッコミはさておき、実はここなんじゃないかという心あたりが。

さっそく現地に向かう。

 

東京の端っこに来てしまったせいで時間かかりそう……

とりま行けるとこまで行きます。

 

電車止まったので到着諦めます 笑

 ワラ( ´∀` )

 

思いがけぬアクシデントに戸惑いながらも、私が選んだのはここ。

日本科学未来館(お台場)

歌詞からして開けている景色のイメージだが、東京23区で景色が開けているといえばお台場。さらに「地球はまわる」はまさしく未来館のジオ・コスモスを指しているのではないだろうか。

それにしても1時間で移動するのはきつい。

お台場エリアは広大で土地の使い方が贅沢なので、息も絶え絶えでなんとか到着できた。

他の人も現地に到着したので、ビデオ通話をつないでみる。

見えますか~

!?

そこには優雅にハイボールを飲むカローサムさんの姿が。

羽田空港第二ターミナル展望ラウンジに来ました。ポイントは地平線が見える、空に関係している、「君をのせて」というタイトル的に乗り物関係かなというところです。

 

忘れてたけど、確かに空港は近いところにいるな。

ドラゴンさんはどうですか?

レインボーブリッジの真ん中にいます!!!

 

なんと。まさかレインボーブリッジを徒歩で渡っているとは。

 

 

「地平線」が見えて、ライトアップが「たくさんの灯」、そして橋なので「君をのせて」いるという推理です。あと、お台場海浜公園の「海の灯まつり」はペーパーランプを一斉に灯すんですが、レインボーブリッジから見れるので、ここではないかと。

 

※別日に撮影したレインボーブリッジ。

 

果たして結果は……!!

正解は「日本科学未来館」でした!電車待ちさんお見事です。

 

やったぜ。

羽田空港もレインボーブリッジも、理由を聞くと納得できただけに喜びが大きい。

電車止まってしまったので実際会えてないですけど、これでみんな1回は歌詞をたよりに集まれたことになりますね。企画倒れしないでよかった。

 

ちなみにカローサムさんは移動中にブルーシールも食べていた。優雅すぎる。

現在の位置

 

 

【第3ラウンド】It's my life/エレファントカシマシ

あまり有名ではないですが、次の曲はエレファントカシマシのIt's my lifeでお願いします。

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歌詞はこちら

ということで、第3ラウンドのお題はエレカシ

 

不思議と慣れてきたもんで、歌詞を見れば使えそうなワードをスムーズに拾えるようになった。

「首都高ドライブ」「海まで一直線」「まばゆい都会の夜景と浮かぶ東京タワー」

これは、いけるんじゃないか……?

 

と、思ったが肝心のあと一押しが思いつかない。

よくよく考えてみると、首都高で東京タワーが見れるところ、案外多いんじゃないだろうか。

日の出桟橋

ということで私が来たのはここでした。

 

首都高に実際に乗ってしまうと集合はできないので、集合場所は首都高が通っているところとしたときに、歌詞のワードを考えた末に導き出されたわけですが、まずは下の地図を見てほしい。

まず「バックミラーに映っているまばゆい都会の夜景と浮かぶ東京タワー」と「海まで一直線」という歌詞から、東京タワーを背にして海側に向かう場所として、浜崎橋JCT付近を想起し、「ぐるぐる回るのさ環状線首都高都心環状線)」という歌詞にも矛盾がないことから、この付近で絞ることに。

そして、「夜が明ければ真夏の太陽」つまり、「日の出」ということで、浜崎橋JCTにほど近い日の出桟橋に来たというわけ。

「曲の中にはいくつかの場面があって、それぞれ違う場所だろ」、というツッコミは置いといて、考えうるヒントを使ったアンサーなのではないでしょうか。

 

ここでビデオ通話をつないで、ほかの人の回答も確認してみる。

 

大門駅の辺りに来ています。歌詞からざっくり首都高と東京タワー、海の中間に位置するエリアと推定しました。

芝園橋です。歌詞の「首都高」「海まで一直線」「カーブ」「東京タワーの近く」から推測して、「赤羽橋」と「芝園橋」が候補に出てきたので、より海に近い芝園橋のほうを選択しました。

 

と回答者側はほとんど同じ地点にいることが判明。

ちなみに西から、赤羽橋→芝園橋→大門→浜崎橋が歩いて10分くらいの間隔であるイメージです。

果たして結果はどうなるのか。

ほぼ正解です。

正確には芝公園駅赤羽橋駅周辺をイメージしていました。

ヒントがあったとはいえ、全員がここまで近くで集まれたのはすごいな。

現在の位置

 

 

【第4ラウンド】STAY TUNE/Suchmos

最後はSuchmosのSTAY TUNEでお願いします!!

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歌詞はこちら

最後は私からの出題。

ここまで順調に来ているので綺麗に締めたいところ。

 

「襲ってくる屍のbad girl」ってなんだよ

これは最高難易度の予感……!

 

早くも荒れそうな雰囲気ですが、歌詞をたよりに集まることはできるのでしょうか。

 

現地に到着したが、ひとり待っているとどこまで意図が伝わっているかという不安が出てくる。

出題側特有の心細さというものもあるのかもしれない。

じきに到着の連絡が集まってきたので、早いところ答え合わせに移ろう。

麻布のバルーンショップ「TUXEDO BEAR」です。

「ブランド着てるやつ」は麻布の金持ちのイメージ、「風船ばっかり」とあるので、その範囲のバルーンショップに来ました。


渋谷東急プラザじゃないかと。広くて浅いやつはサブカル、下北沢あたりを連想して、頭だけいいやつは駒場東大前、ブランド着てるやつは表参道のイメージなので、3箇所の中間の渋谷あたりと推測して、「stay tune in Tokyo Friday night. から音楽関係の場所→クラブが上階にクラブが入っている建物」ということで決めました。

あと、「屍のbad girl」も付近で朝酔い潰れている女性を見たことがあるので、これも決め手です。

 

東京駅に来ました。「ブランド着てるやつ」「待ってるやつ」「頭だけいいやつ」「広くて浅いやつ」から、都会の一等地にある大企業で情熱なく働いているサラリーマンをイメージして、東京の企業の中心地として「丸の内(東京駅)」が答えと推測しました。電車待ちさんのスタート地点なので、ここで終わると物語として成立するという下心も少しあります。

 

ということで、3名の回答が出そろったが、思いのほか場所がばらけてしまった。

では、私の想定していた答えをどうぞ。

 

池尻大橋のマクドナルド

まず、話の組み立て方としてはこんな感じです。

・東京の若者が集まる繁華街のイメージで渋谷
・頭だけいい奴=頭だけがいいかはわからないが、頭が良い人が多そうなのは東大生
・Mで待ってる=待ち合わせの目印になるMといえばマクドナルド

渋谷の近くには東大駒場キャンパスがあって、このキャンパスに一番近いマクドナルドはマクドナルド池尻大橋店なので、これが私の答えになります。

 

(よく見ると看板も大きくMのマークになってる)

ちなみに目の前はこんな感じ。



【そして未来へ……】

「歌詞をたよりに集まる」全4問をお届けしました。

未知のチャレンジでしたが、意外と歌詞だけで集まることができるということがわかったので、みなさんも是非知り合いとやってみてください。

実際の場所に行かなくても、解釈の違いがあるだけできっと盛り上がるはず。

この曲はこの場所のイメージだろ、とかもあったらこっそり教えてください。

 

余談ですが、終了後に時間のある人でカレーを食べに行ったときに、ハチ公前で待ち合わせしたら、驚くほどスムーズに合流出来てびっくりしました。

 

やっぱり待ち合わせは歌詞じゃなく場所を指定するのがいいですね。

 

【おまけ】エイリアンズ/KIRINJI

さらに余談だが、曲の被りを想定して予備でもう一曲用意していました。

せっかくなので、どこをイメージしたか当ててほしい。

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歌詞はこちら

私が想定した場所は品川区八潮周辺でした。

・飛行機(ボーイング)が見える(=空港の近く)

・公団(UR)がある

・夜は静か

・バイパスがある

・スポーツカーが火を吐く(=高速道路が通っている)

という要素が揃うエリアは東京にはここしかないはず。

大阪だと千里が近いイメージかも。

 

次回、「味をたよりに集まる」でお会いしましょう。さようなら。

 

お知らせ

あわうみさんによる別視点からの記事も公開中なので、こちらも是非ご一読を。

また、この内容を本にして、文学フリマ東京39(2024/12/1)にも出展予定です。ご期待ください。

tenyard.hatenadiary.jp

Yahooニュースの街に行きたい!!

Yahoo!ニュースのサムネイル画像の風景は実は大阪・梅田らしい」

東京じゃないんだーと思いつつ、何度か聞くうちに現地に行きたくなっていた。

よく見る画像のあの街が本当に実在するのか、あの風景はどこから撮られたのか、写っているビルは何なのか、一度気になってしまうと、どことなく引き寄せられてしまう。

実際に行ってみた。

さて、やってきたのは梅田スカイビル。JR大阪駅から歩いて10分ほどの好立地。

2本のビルの間に空中庭園があるというレゴブロックでしか見ないような形をしている。

どういう仕組みで成り立っているんだ。これ。

公式サイトによると展望台は地上173メートル。

ちなみにフロアにはYahoo!ニュースの話をしている人は一切おらず、団体のインバウンド客で賑わっておりました。

展望台にはカフェもついており、酒も飲める。

世界のビールが700円均一で並んでおり、こちらも大賑わい。

観光地としてふつうにハイポテンシャルであることが端々から伝わってくる。

梅田スカイビルの凄いところはここからさらに「屋上」があるというところ。

空中庭園」とは果たしてどんなものなのか。

壮観!

「屋上庭園」とはいうものの池や松の木があるわけではなく、厳密な庭園ではないが、思った以上に開放感があってびっくり。

大阪の街のど真ん中ということもあって、京阪神を一望といった様相である。

面白いところでいえば、太陽の塔伊丹空港に飛行機が発着するのも見れて、とても楽しい。

 

さて、ここまで単なる観光案内に終始したが、ちょうどこのあたりから正面を撮影するとYahoo!ニュースのサムネイルの風景になるらしい。

それがこちら。

完全にYahoo!ニュースだ!

なんか見たことがあるぞ!!

特徴的なビルの形でピンと来るというのもあるが、単純に景色がいい。

都会を斜めから眺める感じがあって風情すら感じる。

でも、よく見てるとYahoo!ニュースでしかない。勝手にアハ体験している気分。

加工するとこんな感じ。

ここまで来るともう完全に見慣れた姿である。

心の奥底から謎の安心感が出てくる。

とはいえ、違和感もある。ヘビーネットユーザーのあなたなら何か気づくことはないだろうか。

上の図は本物のYahoo!ニュースのスクリーンショットだ。

こうみると非常にそっくり(というか同じ場所)だが、よーく見ると

なんか知らんビルがある!

というのも、梅田は現在、絶賛再開発中で、赤丸のところにあるビルはグラングリーン大阪(今年2024年9月に先行開業)の一部らしい。

風景に写っている街に降りてみると、再開発中だということが至るところから伝わってくる。

再開発エリアはYahoo!ニュースの風景とは少しずれているので、すぐにこの景色がなくなるというわけではないはずだが、街は徐々に変わり始めているようだ。

ちなみにこのあたりに並んでいる特徴的なビルは果たして何の建物なのか。

気になったので、実際に歩いて見てきた。

まずは左端の「ホテルモントレ大阪」

ディズニーシーにでもありそうな異世界感の強い見た目をしているが、オーストリア宮廷文化の時代をテーマにしているらしい。

こんな特徴的な建物が映り込んでたか……?という気持ちもありつつ、あのサムネと見比べてみると「これ実在するんだ」という感想が出てくる。

その隣、「大阪中央病院

この病院のベットからスマホでニュースを見ている人、自分の入院している部屋の窓が映り込んでるのに気づかず過ごしてる、なんてこともあるかもしれない。

そして、左右2棟写っているのが毎日新聞のビル。

実は毎日新聞の大阪本社とのこと。

つまり、Yahoo!ニュースで配信される毎日新聞の記事の中には、ここで書かれた記事があるんじゃないかってことだ。

つまり、あのサムネが使われているニュースの中にはサムネの風景内で書かれた記事があるということになるのではないか。

これは大きな発見のような気もするが、冷静に考えたらまぁそういうこともあるのかもしれない。

そして、その横には道路を飲み込む謎のビルもある。

このビル(TKPゲートタワービル)の5階から7階部分は阪神高速道路が貫通しているらしい。

 

梅田スカイビルのおかしな形状から始まり、再開発中の街、唐突に現れるオーストリア風のビル、道路が突き抜けるビル……。

まるでパラレルワールドに迷い込んだかのような不思議な不思議な街だったが、Yahoo!ニュースのサムネイルの街は実在していて、絶賛再開発中ということが分かった。

 

みんなも大阪・梅田に行く機会があったら是非行ってみてくれよな!

唐古・鍵遺跡がくるくるでかわいい

唐古・鍵遺跡をご存じだろうか。

奈良県にある弥生時代の大規模な集落の遺跡で、周囲に大きな濠を巡らせていたり、青銅器を鋳造していたと考えられているなど歴史的な意義も大きい。

 

特に1994年に復元された楼閣は日本史の授業で目にした覚えのある人も多いだろうが、その歴史的な文脈を抜きにしても、キャッチーでかわいい見た目をしているのでとにかく見てほしい。

 

どうでしょうか。かわいくないですか?

 

歴史的な建物というと、どうしても荘厳なイメージだが、マンガの世界に入ったかのような気の抜けたこの大胆な装飾。何とも言えない趣深さを感じる。

それにしても、楼閣の本体部分に対して、くるくるした部分があっさりとし過ぎじゃないだろうか。何度見ても明らかに違和感がある。

 

どうしてこんなことになったか。

疑問の解決のカギは唐古・鍵遺跡から出土した土器にあるので、

こちらもまずは何も言わずに画像を見てほしい。

 

 

そのまんますぎる。

よく、映画やアニメに原作があるときにどれだけ原作を再現できてるか話題になるが、これは再現率100パーセントといってもいいのではないだろうか。

 

並べてみるともっとよくわかる。

出土した土器を基に楼閣を再現したのだが、似ていて当然ではあるのだが、それにしても似すぎである。

と、同時に物理法則を無視した妙な感覚がしてきて、現代アートを見ているような気分になってくる。

 

ところで楼閣の中央に鳥が止まっていることに気づいただろうか。

遠目から見るとただの鳥にしか見えないのだが、実はこれも楼閣の一部なのだ。

土器にあるにょろっとした部分が鳥を表しているという。

鳥に見えなくもないが、個人的にはへびに見えるし、風のようでもある。

これが鳥になっているということは、つまり学者たちが「これは鳥なので、ここに鳥をつけよう」と議論していた回があったはずである。

 

改めて言うが、唐古・鍵遺跡は歴史的に重要な場所で、楼閣は弥生時代に中国との交流があったことや高層建築を建てる技術があったことが推察されるスペシャルスポットだ。

だからこそ、間の抜けたくるくるや鳥の模型がなんだか面白い。

 

ちなみに現在の唐古・鍵遺跡は史跡公園になっていて、道の駅もある。

弥生時代にもこのくるくるした楼閣が同じように建っていたかもしれないと思うだけでロマンが止まらないし、とりあえずかわいいので機会があればぜひ一度くるくるを生で見てほしい。是非。

シュウマイを風呂の蛇口にする(前編)

ある日のことであった。

風呂に浸かっていると、蛇口がシュウマイにそっくりなことに気づいてしまった。

なんということだろう。

今まで意識の外にあったが、風呂の蛇口はシュウマイではないか。

皮の部分の色、円筒なのか丸なのか分からない形状、先端のアクセント部分の大きさ。

シュウマイは風呂の蛇口をモチーフにして作られた食べ物だったのかもしれない。

もしくはその逆。

 

翌日。

居ても立っても居られなくなった私は、スーパーで冷凍のシューマイとマーブルチョコを購入した。

マーブルチョコもよく考えてみると蛇口の先端部分に似ている。きっと蛇口の先端部分をモチーフにした菓子に違いない。アポロチョコはアポロ11号の宇宙船の形を模してアポロという名前になったことは知っていたが、その理屈で考えると蛇口の先端部分はマーブルという名前だったのだろう。

 

シュウマイのパッケージには「大粒でジューシー」「ふっくらうす皮」など魅力的なワードが並ぶが、蛇口っぽさの一択で日本ハムのものを選んだ。

監修している陳健一には悪いが、このシュウマイには蛇口になってもらう。

 

さて、シューマイとマーブルチョコをドッキングしたものがこれである。

蛇口だと思ってみれば蛇口だが、シュウマイ感がまだ強い。

言うまでもなく、ひねっても水は出ない。

 

これでシュウマイ=蛇口説の立証は失敗したわけだが、手元にはまだシュウマイとマーブルチョコが余っている。

では、緑のチョコをシュウマイの上に置けばグリンピースになるのではないか。

……

これは成功と言っていいだろう。

どうみてもグリンピースにしか見えない。

急にシュウマイにグリンピースを載せねばならなくなったときに、手元にマーブルチョコさえあれば、なんとかごまかすことが出来るということが分かっただけでも、人類の時計の針はいま進んだといえよう。

 

で、あれば、

黄色だとどうなるのか……?

 

からしを載せているようにしか見えない。

もはや蛇口ではないが、こうして見るといままで何故シュウマイとマーブルチョコが出会わなかったのかと運命を呪ってしまう。

フォトジェクニックさという角度から見れば、黄色いマーブルチョコはシュウマイと相性バツグンであるといえよう。

 

ちなみにこの逆で先端部分が緑色になっていて、見た目がシュウマイの蛇口というものはすでにあるらしい。本稿は蛇口を自作する予定だったが、そのことに気づいてしまったので写真を撮っただけでお蔵入りになっていた。

ここから先の展開をどうするか皆目見当もつかない。横浜に行って本場のシュウマイに蛇口を会わせるべきか、はたまた弁当箱を湯船に見立てて風呂弁当を作るべきか。このままでは面白い記事にはならないと悩む日々が続いた。

 

 

 

だが、昨日風呂に入っていた時に気づいてしまった。これなら問題ないという解決策が。希望の光が。コペルニクス的転回が。

 

ただ、残念ながら紙面の都合で今日の記事はここまで。

果たしてシュウマイはどうなってしまうのか。

 

 

 

後編につづく。

 

 

あのエネオスは元々どのブランドだったのか

ガソリンが高い。ちょっと前までレギュラー120円くらいだった気がするんだが。

ガソリンスタンドの看板をよーく見ていると、街中のスタンドがうっかりしているうちにエネオスだらけになってきていることに気づく。

これも。

これも。

これに至ってはエネオスの奥にエネオスが見える。

このままだと全部のガソリンスタンドがエネオスになってしまうんではないか。

公式ホームページによれば、エネオスの系列給油所数は1万2千か所以上。さらに国内燃料油販売シェアは約50パーセントを占めるという。*1

なぜここまでエネオスがシェアを伸ばしたのか。簡単に説明すると、石油などを輸入・精製して販売を行う石油元売の統合がここ20年ほどで進んだからだ。

1999年に日本石油三菱石油が合併。2002年に統合ブランドであるエネオスが誕生して以来、九州石油(2008年)、JOMOのジャパンエナジー(2010年)、ゼネラル・エッソ・モービルを手掛ける東燃ゼネラル(2017年)などを吸収しエネオスは拡大を続けてきた。最近見ないと思ったブランドが下の図に入っているなと思った人も多かろう。

ところで、エネオスの看板って何種類かあることにお気づきだろうか。

左は正方形、右は明らかに縦長で、簡単に区別がつくレベルで違う。

実はこの看板の形から元々のブランドを見分けられることがある。

正方形は元・日本石油、縦長は元・三菱石油だというのだ。

調査の結果、ガソリンスタンドの見た目からエネオスが元々どのブランドだったのかがある程度把握できることが分かった。消えていった8つのブランドとともにそのメカニズムを紹介したい。*2

 

日本石油

現在のエネオスに連なる本家本流といえば、日本石油といって過言ではないだろう。ティーンエイジャーのみんなには馴染みのない話で申し訳ないが、20年前まで存在していたガソリンスタンドのブランドだ。赤い太陽を思わせるサンライズマークは今見てもかっこいい。

ロゴの下に小さい看板があるのは日本石油時代の痕跡である可能性がかなり高い。ちなみにFCは法人向けのFCカードの略だ。

設立はなんと1888年明治21年)。2代目総理大臣・黒田清隆はこの年の就任であるから、歴史の長さが伺える。

 

ブランドの統合から20年たつが、未だに当時のものを流用したと思われる看板を見つけることができる。もちろん途中で改修される場合もあるので、現在の見た目から痕跡を探せない場合も多いのだが、正方形看板+小看板はほぼ確定で元・日本石油といっていいだろう。*3

ところでこの赤い帽子を被っているキャラクターをエネオスでよく見かけるが、自分の記憶が正しければ日本石油時代から存在しているはずである。長年目にしているはずだが、名前が分からない。ネットで調べても確かな情報が出てこないので、誰か知っている人がいれば教えてほしい。

 

三菱石油

三菱石油は名前から分かる通り、三菱系のガソリンスタンドだった。今でもたまに赤いスリーダイヤのガソリンスタンドを見かけることがあるが、そちらは三菱商事エネルギー(元・三菱商事石油)で、実は別会社だ。三菱石油は1999年に日本石油と合併し、しばらくは両ブランドが併用されており、会社名もズバリ日石三菱だった。「日石灯油でポッカポカー」と歌っていた日石灯油のCMの歌詞が急に「日石三菱ポッカポカ」となって、語感の悪さに戸惑った記憶がある。

三角形や帯状などやたら変な形の屋根(キャノピーというらしい)は三菱石油に多いが、どんな意図によるものなのかが気になる。緑とオレンジ、黄色の塗装も目立ちはするが、街中ではなかなか見ないカラーリングで、なぜこの組み合わせを選んだのか?と尋ねたくなる。

三菱石油の看板は上部に黄色い部分があるために縦長になっているので、それを流用したと思われるエネオスの看板ももちろん縦長になっている。が、エネオス成立から20年。ガソリンスタンド自体のリニューアルや看板の架け替えなどで縦長タイプの看板は減少している。給油機やランプなどから元々のブランドを特定する方法もあるが、看板から一目で元・三菱石油を見破ることは今後難しくなっていくに違いない。

こちらは屋根の端が丸まっているタイプ。このタイプも元・三菱石油に多い。老朽化で看板の架け替えが進む今、屋根の形は元・三菱石油を特定する重要な手掛かりになるのではないか。銀色の柱が丸柱なのもポイントだ。

■ JOMO

共同石油日本鉱業(カクタス)が合併し、1993年に誕生したのがJOMOである。個人的に一番デザインが好きなブランドだったが、2010年にエネオスに転換してしまった。縦長看板は三菱石油と書いたが、JOMOもやや縦長で紛らわしいので注意したい。

ガソリンの値段を表示している部分が緑地の看板で、電光掲示板の文字色はオレンジだったが、エネオスになっても残っていることが多いので、このへんが判別のヒントになってくる。

JOMOといえばクラムボンの歌うCMソングが好きだった。

「ガソリンそんなに減ってないけど、親切だもん。今日もやっぱり寄ろうかな」という心地よいリズムとふんわりとした雰囲気の歌は、なぜか今でも記憶の隅に残っているのだが、JOMOの消滅と共にテレビで聞けなくなってしまったのが寂しい。

こちらはガソリン価格が緑地に書かれているので元・JOMOだと分かる。

ほかにも赤いライン部分の痕跡が残っていたり、柱がなんとなく太かったり、看板の上下左右になんとなく隙間が空いているなどの特徴もヒントになるかもしれない。

これは調査の途中に見つけた元・JOMO。ちょうど屋根の工事をしているところだった。緑色の部分は交換されたしまったようだが、電光掲示板の文字色がオレンジであるところから元・JOMOだということがわかる。

さて、屋根であるがよくみると2層になっていることが分かる。ライトが埋まっていたり、吊るしてあったり、屋根が薄かったり、厚かったりすることでスタンドの印象は大きく変わるが、こんな構造になっていたとは。世の中にはガソリンスタンドが専門の設計史がいたりするんだろうか。いたらぜひお会いしてみたい。

 

九州石油

その名の通り九州地方を中心に展開していたのが九州石油である。

STORKのブランドを使うこともあったが、これはコウノトリを意味する。やや薄い屋根とツートンカラーにコウノトリのロゴはなんとなく旅情を掻き立てて、旅先で見かける度になんとなく「自分が知らない街に来ているな~」と感じていた。

コウノトリが渡り鳥だということも関連しているのかもしれない。日本で野生のコウノトリが絶滅してしまったように、九州石油も2008年にエネオスに転換して消滅してしまった。

 

元・九州石油を見つけるのには苦労した。九州に多かったということもあるが、薄い屋根や丸いライトなどの特徴がほかのブランドのスタンドでも見られるからだ。ただ、それらが合わさるとなんとも表現しがたい「九州石油」らしさが出てくるから不思議だ。

ところで、この記事を書くために数百枚のガソリンスタンドの写真を短時間に見比べていたせいか、不思議なことに一目で元のブランドが分かるようになってきた。どこで使うんだこんな能力。

 

三井石油

三井石油三井グループが設立した会社だ。長らく三井グループでおなじみの丸に井桁三の紋章を使っていたが、いつごろからかセルフのスタンドを中心に「MITSUI」ブランドを使う店舗が出てきた。しかし、2014年にエッソ/モービル/ゼネラルのブランドを展開する東燃ゼネラル石油に合併したことでブランドが消滅。さらに旧・東燃ゼネラルの店舗がエネオスに転換したことで、結果的にエネオスになった。

つまり場合によっては、三井石油MITSUI→エッソ→エネオスなどというブランドの変遷を辿っている店舗もあるわけで、塗装のし直しなどの改装費用の心配をしてしまう。

見た目の特徴としては、柱に模様があることが多い。ほかにも看板のロゴの下に棒が一本あることもある。

 

この元・三井石油からは典型的な元・三井石油で、遠くから眺めるだけでも柱の模様と看板の横棒から元・三井石油であると推測できるが、よく見るとさらなる痕跡を見つけることができる。

 

旧・東燃ゼネラル系(エッソ/モービル/ゼネラル)のスタンドでよく見る青い塗装の残った給油機や、ガソリン価格の電光掲示板の側面がMITSUIのブランドカラーの緑であることから、度重なるブランド変更の歴史を感じられる。

 

■ ゼネラル

さきほどから何度か話に登場しているエッソ/モービル/ゼネラルだが、詳しく説明すると面倒なのでざっくり説明すると、元々別会社だったエッソ石油、モービル石油、ゼネラル石油が同じ東燃ゼネラルグループになったのちも3つのブランドを並行して展開していたのがこれらの店舗である。セルフの店舗は「エクスプレス」を名乗ることが多く、「ゼネラルエクスプレス」だとか「エッソエクスプレス」などになっていたが、これらはエネオスに統合後、「Enejet」と名前を変えて存続している。*4

これらのうち三井物産の燃料部を源流に持つのがゼネラルである。エクスプレスはブランドロゴ以外の部分が基本的には共通だが、それ以外の店舗はブランドごとに特徴がある。ゼネラルは屋根が台形のことが多い。また、看板の柱が丸い柱の可能性が高いような気もする。

 

台形屋根は明らかに目立つ。見た目でブランドの特色を出すのにはいい方法だったのかもしれない。しかし、角度によっては「ENEOS」の文字が見にくくなるという弱点もあり、一概にいいとも言い切れない。ゼネラルだったときは問題なかったのだろうが、ブランド転換の難しさを思わせる。

 

こちらは元・エクスプレスの店舗。

明らかにエネオスのロゴ部分が横長になっている。エクスプレスの看板は電光掲示板や「セルフ」の文字など他の部分がすべて繋がっている一体型になっていたが、ブランドによってこのロゴの部分だけサイズにばらつきがある。

これはエッソ/モービル/ゼネラルの看板の縦横比がすべて違ったためだと思われるが、それによって、このスペースには当初ゼネラルの横長ロゴが入っていたと推測できる。

 

■ エッソ

エッソとモービルはアメリカ発のブランドで、そのため他のブランドよりもややシンプルなロゴになっている。エッソの特徴としては立体的なロゴを使っている場合があって、文字と丸い枠が浮き出ていた。

 

その名残なのか、元・エッソのスタンドは上からエネオスのロゴを貼り付けているようなデザインのことが多い。もしかしたら、エッソのロゴにかぶせているのかもしれない。

こうなってくると大変なのがエネオスでロゴを管理している人である。縦長でも横長でも上から貼り付けても大丈夫なように何パターンもデザインを持っていなくてはいけない。これが例えば銀行やスーパーなら余白で調整すればいいだけな気もするが、ガソリンスタンドは既存の看板をそのまま使ったりするのでそれに合わせなければいけないはずだ、と知らない担当者の苦労を想う。

 

■ モービル

いちばん外観がおしゃれなのがモービル。

かなり横長の看板や屋根の裏についている円状の物体などはデザイン性の高さを感じる。

 

このデザインは近未来的なようでもあり、懐かしいようでもあり、いわゆる「レトロフューチャー」に当たるのではないだろうか。レンガ調のサービスルームも調和している。

ガソリンスタンドの店舗部分にはセルフ全盛期の今、なかなか入ることもなくなったが、子供の時にはオイル交換かなにかの時によくいた記憶がある。

古い色やけたポスターが貼ってあることが多くて、ガソリンの鼻につくにおいと自動販売機で売っていたミロの味は今でも覚えている。あれはモービルだったか。

旧・東燃ゼネラル系なので、給油機の青い部分が残っているのにも気づく。

 

では、モービルの看板はエネオスになってどうなったか。下の図をご覧いただきたい。

 

ゼネラルは横長の看板。エッソは外枠がある看板になったのに対して、モービルは特徴を見出せない。どうもエネオスになったときに看板ごと交換しているようだ。

無理やりロゴを変形させてきたエネオスでもさすがにモービルには太刀打ちできなかったか。

 

さて、そろそろエネオスが元々どのブランドだったのか、見分け方を覚えてきたことだろう。クイズを用意したので挑戦してほしい。これが正解できれば免許皆伝である。

 

 

まずは第1問。

これまでの知識を動員すれば分かるはず。

正解は元・JOMO。

濃い緑色の部分があるのはだいたい元・JOMO。

あと、看板の上下左右に微妙に隙間が空いていて枠の色が見えるのも特徴だ。

 

続いて第2問。

こうしてみるとガソリンスタンドのデザインは多種多様なことに気づかされる。

正解は元・三井石油

柱の模様から見分けることができれば正解に辿り着けそうだ。

給油機が青いので、旧・東燃ゼネラル系だろうという点も大きなヒントになる。

 

最後の問題。

これは難しいかもしれない。


答えは元・日本石油

考え方としては、

① セルフのスタンドでエネジェットじゃないので、ゼネラルエッソモービル三井じゃなさそう。

② 看板が正方形なのでJOMO三菱じゃなさそう。

という2点から消去法で元・日本石油でないかという推測ができるはずだ。

とはいえ、オープン当初からエネオスであったり、途中で看板が変わった可能性も否めない。自分も図書館で地図を辿って確証を得た。

 

家の近くのエネオスが元々どのブランドなのか気になってきた方もいるだろうから、かんたんな調査方法を載せておく。来年の夏休みの自由研究などにも応用できるはずだ。

 

① まずはガソリンスタンドを観察して仮説を立てる。

何店舗か見比べていくと看板や給油機などから特徴が見えてくるはずだ。もちろん出入りする車や営業している店舗には迷惑にならないように注意したい。

② ゼンリンの住宅地図や古いカーナビで調べる

図書館に行けば、店舗や施設の名前まで入っている詳細な地図がある。手作業で確認しなければならないのが大変だが、古いカーナビを使えれば検索できるので楽だ。

③ インターネットで調べる

特に役立ったのがGoogleMapのストリートビューgogo.gsのスタンドラリーのページである。スタンドラリーは全国のガソリンスタンドの店舗画像が載っているので、2008年くらいまではこのサイトで辿ることができた。

gogo.gs

 

色々なガソリンスタンドの話をしてきたが、驚くべきはこれらはすべて現在エネオスになっているということだ。あれだけあったガソリンスタンドのブランドはエネオス、アポロステーション(出光興産)、コスモ石油の大手3社に集約されようとしている。

少し寂しさを覚えるが、あの時通っていたガソリンスタンドの面影がどこかに残っていることが分かって、何か勇気づけられたような気もする。

 

感傷的なまとめで終わろうとしているが、この記事は調査と作成にめちゃくちゃ時間かかった。エネオスのロゴだけでもパワポで2時間かかった。イラレで作ればよかった。

 

今後、地球温暖化対策や電気自動車の普及でガソリンスタンドは大幅に減ることが予想されるが、エネオスはどうなっているだろうか。ガソリンスタンドのシェアの十割をエネオスが占めているなんて未来も案外ありうるかもしれない。

 

■おまけ

せっかくなので現在のエネオスのイラストも作った。

改めてみると洗練されたかっこいいデザインのように感じる。

みなさんもぜひ近所のエネオスが元々どのブランドだったのか調べてみてほしい。そしてこっそり教えてください。

 

*1:ENEOSホームページ『数字で見るENEOS』(2022年8月17日閲覧)

https://www.eneos.co.jp/company/glance/

*2:より詳しい話はいくらでもできるが、本稿はここ20年ほどの話を扱うこととする。

*3:ただし、後述する日石三菱時代に設置された元・三菱石油の看板である可能性は否めない。

*4:ただし旧・東燃ゼネラル系でない店舗がリニューアルなどを機にEnejetになることもある。