電車待ちに読むブログ

カレーのおいしい季節です

東京サイクリング日記

暇だったので旧東海道沿いをサイクリングしていたら、ボートレース平和島にたどり着いた。横に複合施設があるのだが、テナントが凄い。

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ドン・キホーテ、パチンコ、カラオケ、ゲームセンター、映画館。

写真には入ってないが隣に温泉施設もある。まさに欲望のパラダイス。

これらが平和島にあるというのはいい皮肉である。

 

 

あまりに暇だったのでボートレースをしてみることにした。

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入場料は100円で、入り口でペン2本と出走表が渡された。

ボートレースをしようと思って来てないのでまったく仕組みが分からない。

周囲のおじさんたちを観察していると、どうもマークシートに予想を書いて券売機で買うようだ。ざっくりスマホで調べると、出走する6人の着順を当てればいいということも理解した。そうこうしているうちに第8レースの投票が締め切られた。

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レースは写真撮影不可らしいので、かわりにボートレース場の外観

券売機のあるゾーンの奥に進むと急に視界が開けて水面が見える。運河の一部を区切ってレース場にしているらしい。1周600メートルのコースを3周して決着をつけるようだ。白のキャップの1番が目についたので応援していると、そのまま1位でゴールしてしまった。これはもしかするかもしれない。ビギナーズラックで勝つことを祈り次のレースの舟券を買ってみることにした。

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直前に大きな公園にも寄ったが、親子連れが多くて自分が浮いていたのですぐ出た。

 次のレースまで30分あるので場内をふらつく。もつ煮をつまみに立ち飲みできる店や100円前後の揚げ物を売る店なんかがある。一発当たればビールを飲みながら豪遊、外れたら70円のコロッケで我慢といったところか。かと思えば、すれ違った仲のよさそうなおじさん二人組の片方が急に背筋を正して「お願いなんだけど、10円恵んでくれないか」なんてことをもう片方に言う。まさにデッドオアアライブ。果たしてこのおじさんはどんな賭け方をしたら、そんなセリフに至るのか。

 

ふらふらしてると次のレースの締め切り時間も近づいてきた。出走表をみてもまったくよくわからないので、適当に決める。1着に2番、2着に5番の2連単とした。2位まで予想したのはマークシート単勝(1着だけ当てる)の書き方が分からなかったからだ。場内には予想屋と呼ばれる人たちがいて100円払うと予想を教えてくれるのだが、ここは自分の勘で選んだ。さぁどうなるか。

 

……

 

 

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ボートレース場を出ると北上した。このあたりは工業地帯なのでとにかくトラックが多い。9月になったとはいえまだまだ暑さが体に響くので、こまめに水分を取るようにする。

レースは負けた。

2番が最初のカーブで失速すると、青のキャップの4番が独走し、そのまま4-5で決着した。締め切り直前のオッズはおよそ100倍。1口100円なので勝てば1万円だったが、そんなうまくはいかない。本気で勝負するなら一回のレースで数通りの組み合わせを買うのがいいのだろう。

 

品川区に入る。

ボートレース場から数分もたってないのに今度は競馬場が出てきた。

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大井競馬場である。ちなみにさきほどボートレース場があったのは平和島だが、大井競馬場があるのは勝島。今度こそギャンブラーの島だという感がある。どちらも埋め立て地だが、勝島は戦時中に、平和島は戦後に名付けられている。いま隣に埋め立て地を作ったらどんな名前が付くだろうか。

ちなみに平和島の隣には昭和に作られた昭和島があって、同じ大田区にある埋め立て地には最近令和島という地名がつけられた。そのまますぎやしないか。

 

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 品川区を通り過ぎると次に港区に入る。

息をしている間にどんどんとビルが増えていく。

信号待ちをしていると親子連れの母親「漱石公園行こうか」と娘を誘っていた。

港区にはそんな公園があるのか。近ければ寄ってみようと思い検索をすると、漱石公園は新宿にあるらしい。あの母親はこれから新宿まで行こうとしているのか。なかなか行動的な人である。

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暑くなってきたので少し路地に入ったら、東京タワーを見つけた。

特に目的地もないので、東京タワーを目指すことにした。

近くに行けば何かあるだろう。

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そのまま進んでいると変な道にたどり着いた。

東京タワーに行きたいので正面方向に進みたいのだが、JR関係者以外は進入禁止と書いてある。仕方がないので迂回する道を探すと、なんとか道はあった。

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恐る恐る怪しげな道を進んでいく。

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果たして自分はどこへ向かっているのか。

急にアトラクション感の強いトンネルに入ってしまった。

背の高さもない低いトンネルが、出口が見えないほど先まで続いていた。

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答え合わせをすると、出た先は高輪ゲートウェイ駅のあたりだった。

駅は開業したものの、駅前はまだまだ作りかけでスーパーもマンションも何もなかった。あったとすれば、水素ステーションだけだ。

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なぜこんなところに水素ステーションがあるのか。

目の前の道に車は一台も通らないし、店員も外に出ていない。

気になって調べてみたら営業は9時半から5時までで、水曜日は休みとのこと。

法人向けで特定の人しか利用しないのか、やる気がないのかどちらかだろう。 

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東京タワーが見えてきた。

メインデッキの入場料は1200円。ボートレースで勝てなかったので登るのはやめにした。自転車を押して急坂を歩くのも嫌だし。

 さてどうしたものかと自転車を漕いでいると、雨が降ってきた。

目の前にスーパーがあったので、これ幸いと雨宿りする。

レジでペットボトルの飲み物を買うと店員の女性が話しかけてきた。

「降ってきましたか」「ええ降ってきました」

「服が濡れてるんで」「はははそうですね」

本日の会話はこれで以上である。 

店を出ると雨はやんでいた。

これ以上進んでもまた雨が降ってきそうなので、帰路につくことにした。

 

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来るときは旧東海道(国道15号)を通ってきたので、帰りは国道1号を進む。

地名は麻布や白金。ローソンもナチュラルローソンになるほどの高級住宅街エリアだ。

道にも突如謎の噴水が現れる。果たして誰が設置しているのか。

 

ところで、ここまでの道は基本的に車道を走るようにしていたが、

道幅が狭かったり歩道の幅が広かったりするときは歩道を通っていた。

しかし、白金で突如歩道が途切れた。目の前には地下鉄入り口、歩道橋(階段のみ)、エレベーターしかない。もはやここまでかと思っていたその時、もしやと思いエレベーターに近づくと、

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エレベーターに自転車を載せることができた。

さすが白金。この町は人力で自転車を押しながら歩道橋を渡らなくていいのか。

心なしか路駐の車もいかつい。注意してみると、ベンツかアウディかポルシェばかり。

そこに歩いている女子高生の預金残高は自分よりも多いんだろうな。

 

17時のチャイムがなる。白金なのでチャイコフスキー、ということはなくて、普通に夕焼け小焼けだった。ただ、心なしか上品でマリンバを弾いてるような軽やかな音色だった。

 

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五反田に近づいたころに再び雨が降ってきた。ちょうどいいところに雨宿りできそうな場所があるので休む。藤棚だろうか。

最初はパラパラと降っていた雨は本降りになって、緑の間からも雫が垂れてくる。

現在地から家までのルートを調べようとすると、雫がスマホに落ちてきて勝手にタッチされてしまう。漱石公園から家までのルートが出てくる。今知りたいのはそれじゃない。

 

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雨が止んだのでさらに南下を続ける。

汗と雨とでマスクも服も蒸れる。早く家に帰って風呂に入りたい。

新幹線の高架をくぐり、池上本門寺のあたりに至る。

 

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せっかくなので池上本門寺も見ておきたい。駐輪場で開門時間を調べようとすると、18時の鐘がなる。どうも開いてないよう(24時間開門という情報も見つかったが、家に帰りたい気持ちの方が強くて見ないふりをした)なので、帰ることにした。池上本門寺からはほぼ一本道で10分くらいで家に着いた。

 

総走行距離は約26km。

家にいるだけでは10円をねだるおじさんや自転車をのせるエレベーターに出会うことはなかっただろう。

たまにはこんな休日もいい。